チドリ目ウミスズメ科属
学名 Uria aalge
和名 ウミガラス
英名 Common Murre
【分布】
北太平洋と北大西洋、北極海に広く分布。
日本では、天売島、松前町渡島小島、ユルリ島、モユルリ島で少数が繁殖していたが、現在は天売島以外での繁殖の記録がなくなっている。
冬季に本州北部まで南下してきた個体を観察できる。
北方領土の歯舞諸島では繁殖している。
【生態】
無人島や陸生の捕食者が近づけないような崖や崖の上にコロニー(集団繁殖地)を作り繁殖。
食性は動物食。小魚やイカなどを潜水して捕食。
水中では翼で羽ばたいて泳ぎ、水深180mまで潜る。
【サイズ・形態】
全長42-47㎝ 翼開長66-67㎝。
成鳥夏羽は、上面が濃黒褐色。ハシブトウミガラスより淡い。
喉は黒、胸から下面は白。クチバシは黒、口角も黒。
成鳥非繁殖羽は顔が白く、眼の後方に黒褐色の線が入る。
【その他】
日本での繁殖地では、オオセグロカモメ、ハシブトガラスなどによる卵や雛の捕食圧が高く、繁殖成功率が低く、個体数の減少傾向が著しい。
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<ここから鳥の写真>
『ウミガラス(Common Murre)』
同じ白黒のパトカー配色である近似種のハシブトウミガラスと比べると、
比較的黒味が茶色がかっています。
ウミガラスは別名「オロロン鳥」と呼ばれています。
鳴き声が由来と言われています。
現在(2022年)、オロロン鳥が国内で繁殖しているのは天売島だけ。
1960年代には天売島での繁殖個体数は、およそ8000羽。
2002年には13羽。
2004‐2007年は巣立ちは0羽。
危機的な状況です。
潜水系の海鳥は漁網にかかったりして命を落とすことも少なくはありません。
さらに、天売島やかつて繁殖していた北海道の島々は、温暖化のエサの問題や外敵の捕食圧などで数を減らしてしまったようです。
保護関係者の努力の結果、外敵圧を緩衝できる営巣場所に誘導が成功して
2020年には24羽が巣立ちました。
少しでも、この活動が実を結んで、日本の海でウミガラスがいつまでも見られることを願いたいですね。
写真の繁殖羽は、道東の落石クルーズでの撮影です。
この頃は、まだ少数が、落石港の沖合のユルリ島、モユルリ島でも繁殖したようですが、いまは・・・
霧の中での撮影で、苦労した思い出です。
こちらは非繁殖羽(冬羽)
次は、オオハシウミガラスですが、まだ見たことがないのでパスします。
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本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。
今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。