【日本の野鳥#24-16-01】ウグイス(Japanese Bush Warbler) | 鳥好きFPのつれづれ日記2

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自然ものの写真をご紹介していきます。
野鳥が中心ですが、風景や草花、動物、きのこたちも登場します

記事の前半は「よもやま話」
記事の後半に「自然ものの写真」をご紹介です。

スズメ目ウグイス科ウグイス属
学名 Horornis diphone
和名 ウグイス
英名 Japanese Bush Warbler

【分布】
分類が諸説あり、亜種チョウセンウグイス、亜種マンシュウウグイスの扱い次第で分布も変わる。

最近の分類では、亜種ウグイスと亜種マンシュウウグイスで、種ウグイス。

チョウセンウグイスを独立種とするので、ここではそれに倣う。

日本(北海道~南西諸島)、樺太、中国東部と中部に分布。

寒冷地の個体は中国南部、南東部、台湾、東南アジアで越冬。

日本では全国に分布。

寒冷地個体は暖地へ移動。

亜種に分類。

Horornis diphone cantans 【亜種ウグイス】

北海道から九州まで広く分布。


Horornis diphone diphone 【亜種ハシナガウグイス】

小笠原諸島に分布。

亜種ウグイスと比較して、やや小型(全長12㎝)で嘴が長く赤みを帯びる。

さえずりは活発ではなく、「ホーホケ」と鳴く。縄張りは狭い。


Horornis diphone restrictus 【亜種ダイトウウグイス】

 南大東島で 1922年(大正11年)に 2羽が発見・採集されたが、その後に記録がなく絶滅 したものと考えられていた。

しかし、2001年以降、沖縄本島と喜界島に生息していることが確認された。


Horornis diphone riukiuensis 【亜種リュウキュウウグイス 】

沖縄に分布。

本亜種の分類は要検討扱い。


Horornis diphone sakhalinenis 【亜種カラフトウグイス】

樺太に分布。

灰色味が強い。

 

◆Horornis diphone canturians 【亜種マンシュウウグイス】

朝鮮半島、中国東部・南部に分布。


【生態】
平地から高山帯の林、ヤブ、笹ヤブなどに生息。

寒冷地の個体は冬期には暖地へ移動する。

食性は動物食傾向の雑食。昆虫類、その幼虫、クモ類などを捕食。植物の種子、木の実も食べる。

オスは「ホーホケキョ」と大きな声で囀る。

地鳴きは「チャッ、チャッ」。

谷渡りと言われる「ケキョケキョケキョ」は外敵や縄張り争相手への威嚇とされる。

ホトトギスの托卵相手。

【サイズ・形態】
全長14-16㎝ 翼開長18-21㎝

オスがやや大きい。

雌雄同色。

体上面はオリーブがかった褐色。

体下面は灰白色。


【その他】

「春告鳥」と呼ばれる。

気象庁が初鳴きを生物観測データに用いていた(2021年に対象から外れた)。

 

ハワイへ移住した日本人が持ちこみ、ハワイにも移入種として定着。

 

古今集、万葉集の中の和歌にうたわれる。

 

俳句では「春の季語」

 

ウグイスの糞の成分には加水分解酵素が多く含まれ、角質層が柔らかくなるので化粧品や治療薬として人気がある。飼育が難しいので、ソウシチョウの糞が代用されている。

 

多くの自治体の指定鳥になっている。

・山梨県・福岡県の県の鳥に指定。

・全国の市町村で指定されている。

 

鴬張り

二条城の廊下に仕込まれた歩くと音が鳴る仕組み。忍者対策とされている。

 

うぐいす嬢

野球場や選挙カーでアナウンスする女性の別称。


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<ここから鳥の写真>
『ウグイス(Japanese Bush Warbler)』
これほど国民の多くが囀りを答えられる鳥はいないのではないでしょうか?

(ライバルは「カッコウ」かな?)

「日本三鳴鳥」は「ウグイス」「オオルリ」「コマドリ」ですが、ウグイスのほかの2つの声はBirder以外聞いても分からないと思います。

 

圧倒的に、さえずりの知名度が高い鳥です。

漫才コンビ「のりお・よしお」ののりお師匠の「ほーほけきょ(だみ声)」

「江戸屋猫八」の伝統芸の指笛 「ホーホケキョ(すばらしい)」
でお茶の間に広がったのもあるとは思いますが、こうした芸風が伝わるということは

日本人の心の中に「ウグイスの囀り」=「ホーホケキョ」が浸透しているからに他ありません。

 

ちなみに私は口笛で結構上手く真似できます(^^)V

 

そんな「高名」なウグイスも、なぜか姿になると、見たことがない人が増えます。

多くの方が、ウグイスを絵に描いてくれと言われたら、いわゆる「ウグイス色」で描きます。

その色は「黄緑」

「うぐいす餡」も「緑」

ですが、下に貼った写真を見るとお分かりの通り、実物は全く異なる色です。

 

このイメージが間違って広がった理由は、おそらく「花札」の「梅に鶯」

こう書けば、その柄が目に浮かぶ方も多いと思います。→念のためにリンク

掛け軸なんかでも、描かれていますしね、古来よりこの取り合わせは縁起のいいものとして日本人の心のDNAに埋め込まれたのでしょうw

この絵柄的には「メジロ」に軍配が上がりそうです。

 

古来の人が識別できなかったということではなく、文化的に考えた方が趣があっていいと感じるので、補足すると。

ウグイスは「春告鳥」

梅も「春告の花」

この両者の取り合わせが素晴らしく、色あいも美しいメジロ色で描かれた。

しかも、こっちの取り合わせの方が目にしますよね。実際メジロは梅によく来るし‼ならば縁起物を目にする機会が多い方が楽しいでしょう(^^)

 

そういう寛容さで、これを受け止めていた方が、和の文か、日本人の心に寄り添えそうなので、「ウグイス× メジロ〇」「ウグイスだというなら梅じゃなく笹でしょう」と語るのは、文化的にかなり無粋だな~と感じます。

 

だって、梅に本当にウグイスが来るって奇跡的ですよね?Biderの皆さんならば、分かりますよね(^^)

そんな「奇跡」を絵にしたと思えば、多少の色の違いは、「デザイン」優先での採用ということでいいと思いませんか~

 

ちなみに、同じく、花札や掛け軸の「鶴と松」これも、Birderならば、「コウノトリでしょう~ ツルは木に止まらないし」と言いたくなると思いますが、そこも縁起物の取り合わせとして、「梅と鶯」と同じく受け入れてみるといいと思いま~す。

 

蛇足ですが、花札には「蝶とぼたん(6月)」「猪と萩(7月)」「鹿と紅葉(10月)」があります。

これも、それぞれを食肉としてあらわす表現の関連になっています。

鹿肉を「もみじ」、猪肉を「ぼたん」。

これは萩を「おはぎ」、ぼたんを「ぼたもち」に関連づけた言葉遊びの名残だとか。

そんな趣のある言葉遊びが食文化として根付いて残ったようです。

 

あ~~今回は長文になりました~

お付き合いいただき、ありがとうございます。

 

ということで、ウグイスをご覧ください。

 

亜種ウグイス


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