スズメ目シジュウカラ科コガラ属
学名 Sittiparus varius
和名 ヤマガラ
英名 Varied Tit
【分布】
日本、韓国、中国遼寧省、台湾、千島列島南部に分布。
9亜種に分類
◆S. v. varius (基亜種) - 亜種ヤマガラ
国後島、色丹島、択捉島、北海道、本州、九州、四国、伊豆大島、佐渡島、五島列島、中国北東部、朝鮮半島に分布。
◆S. v. sunsunpi - 亜種タネヤマガラ
種子島に分布。
◆S. v. namiyei - 亜種ナミエヤマガラ
利島、新島、神津島に分布。
◆S. v. yakushimensis -亜種ヤクシマヤマガラ
屋久島に屋久島に分布。
◆S. v. amamii - 亜種アマミヤマガラ
奄美大島、徳之島、沖縄本島に分布。
◆S. v. orii - 亜種ダイトウヤマガラ(絶滅亜種:1922年以降発見例がない)
大東諸島に分布。
◆S. v. owstoni 亜種オーストンヤマガラ
八丈島、御蔵島、三宅島に分布。
◆S. v. olivaceus 亜種オリイヤマガラ
西表島に分布。
◆S. v. castaneoventris タイワンヤマガラ
中華民国(台湾)に分布。
【生態】
標高1,500m以下の落葉広葉樹や常緑広葉樹、及び、それらと針葉樹の混合林に生息。
標高の高い場所に生息する個体は冬期に標高を下げる。
食性は雑食。主に昆虫類、クモ、果実、種子、木の実を採食。
春夏は動物食中心、秋冬は植物食中心になる傾向。
貯食も行う。
脚を使うことが上手い。硬い殻の種子などを脚指で押さえてクチバシでこじ開ける。
樹洞にて営巣。
やや濁った感じの「ニーニー」という声で鳴く。
さえずりは比較的ゆっくりなテンポで「ツツピン、ツツピン・・・」と鳴く。
【サイズ・形態】
全長13₋15㎝ 翼開長22㎝。
雌雄同色。
亜種ヤマガラの色彩を列記。
頭部は黒。頭頂部に黄なった白のラインが入る。
額から頬は黄なった白。目はこの境界の黒い部分に位置する。
下クチバシ基部から胸部にかけて黒。
背及び雨覆い、三列風切羽は青みがかった灰色。
初列および次列風切羽は黒褐色で、その羽縁は青みがかった灰色。
体下面~下尾筒は橙褐色。
尾は黒褐色。
クチバシは黒。
脚は青みがかった灰色。
【その他】
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<ここから鳥の写真>
『ヤマガラ(Varied Tit)』
賢い鳥の印象を持っているご年配の方がいると思います。
私も幼少時(40年以上前)、本種がおみくじを引いてくる屋台を見たことがあります。
今では、その伝統の芸も、自然保護の観点から姿を消したそうです。
その一端を、脚とクチバシを使った種子の殻割り行動や、餌台に居ついた本種が人の手のひらから餌を持っていく行動から想像できます。
人を怖がらず、器用で、賢い。
そんな特性が「伝統芸」を覚えるということにつながっていると思います。
実際に、手のひらに本種が乗って、餌を持っていく姿はとても愛らしいのですが
そういった行為は野生生と人との距離の問題などいろいろな意見(衛生面などの問題なども含む)もあって、そういう行為の禁止が叫ばれています。
ここからは私見ですが、そういった野生動物と人との関わりは、ある一定のことは情操教育的な要素としても大切だと思いますし、0か100の結論ではなく、あいまいにしておくことでいいような気がします。
ここの意見は論争・議論の目的で書いているわけではないいので、読み流していただければと思います。
ヤマガラという魅力的な鳥が、人と昔は関わりながら、生きていたのも事実。
そんな文化の側面も伝えたいなあという思いで、筆を執りました。
そんなヤマガラをご覧ください。
◆亜種ヤマガラ
幼鳥
◆亜種オーストンヤマガラ
◆亜種アマミヤマガラ
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本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。
今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。