スズメ目カラス科ホシガラス属
学名 Nucifraga caryocatactes
和名 ホシガラス
英名 Spotted Nutcracker
【分布】
スカンジナビア半島~ヨーロッパ北部~シベリア~東アジアの幅広い帯状の冷帯針葉樹林地域に分布。
ほかにも、下記の3つの山岳針葉樹林に分布。
「アルプス山脈、カルパティア山脈、バルカン半島山岳地帯」・「ヒマラヤ西部」・「中国西部」にそれぞれ分布。
【生態】
日本では、四国以北の亜高山帯~高山帯に生息。
冬期はやや標高を下げる。
食性は雑食。主食は松の実。ハイマツ、トウヒ、トドマツ、オオシラビソ、ゴヨウマツなど高山帯・亜高山帯のマツの類の実を採食。他にもブナやミズナラなどの実も採食する。
それらの実の貯食を行う(冬~来春の繁殖用のエサとして活用)。
ハイマツの実を喉袋にためて、土の中や木の洞などに貯める。
他にも、昆虫類、鳥の卵・雛なども捕食する。
しわがれた「ガ~ガ~」と鳴く。
亜高山帯地域の鳥の中で最も早く営巣(3月下旬頃~)をする。
針葉樹やダケカンバに枝を組んだ巣を作り営巣。
【サイズ・形態】
全長32₋37㎝ 翼開長_㎝。
雌雄同色。
頭頂~後頚部にかけてチョコレート色。
全身の基色もチョコレート色で、上・下面に白い斑が入る。
翼上面・尾と上尾筒は青み光沢のある黒。
クチバシと脚は黒。
【その他】
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<ここから鳥の写真>
『ホシガラス(Spotted Nutcracker)』
高山帯や亜高山帯の代表的な鳥。
貯食する習性が、ハイマツの分布拡大の一役を担っている。
暴風の高山帯では、実が落下するだけでは実の定着は難しい。
土の中に、岩の隙間に松の実を埋めることで、ハイマツの定着につながります。
雪崩や崖崩れの荒れ地に次第にハイマツが復活していく姿の裏には、本種の生態が大いにかかわっているということです。
ハイマツにとっては、長距離を種子の運んでくれる本種に、貴重な栄養源を与え、その残りが着実に繁栄につながるという「共生関係」が成り立つわけですね。
本種が「森づくりの達人(鳥)」と呼ばれる所以ですね。
一見、高山帯で見ている鳥たちが、その環境の維持や保全に役立っているという目で見てみると、また違った魅力を感じませんか?
喉を膨らませて飛ぶ姿を見たら、そんなことを思い出してみてください。
英名の通りナッツクラック(松の実を割っていました)
台湾のホシガラス
ずいぶん趣が違います。
次は「ニシコクマルガラス」の順番ですが、見たことがないのでスキップします。
次回は「コクマルガラス」になります。
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今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。