【日本の野鳥#19-03】コノハズク(Eurasian Scops Owl) | 鳥好きFPのつれづれ日記2

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自然ものの写真をご紹介していきます。
野鳥が中心ですが、風景や草花、動物、きのこたちも登場します

記事の前半は「よもやま話」
記事の後半に「自然ものの写真」をご紹介です。

フクロウ目フクロウ科コノハズク属
学名 Otus scops
和名 コノハズク
英名 Eurasian Scops Owl

【分布】
アフリカ大陸、ユーラシア大陸、インドネシアの温帯から熱帯にかけて生息。

日本では北海道、本州中部・北部では夏鳥。本州南部では留鳥。

複数の亜種に分類される。
代表的な亜種を列記。
O. s. scops  – フランスからイタリア、コーカサス地方に分布France and Italy to the Caucasus area
O. s. mallorcae – イベリア半島、バレアス諸島、アフリカ北西部に分布。Iberian Peninsula, Balearic Islands and northwest Africa
O. s. cycladum  – ギリシャ南部、クレタ島~トルコ南部~シリア、ヨルダンに分布。south Greece and Crete to south Turkey, Syria and Jordan
O. s. turanicus – イラク~パキスタン北西部に分布。Iraq to northwest Pakistan
O. s. pulchellus – カザフスタン~シベリア南部、ヒマラヤ西部に分布。Kazakhstan to south Siberia and west Himalayas

O. s. japonicus  日本に夏鳥として分布。


【生態】
山地にある森林に生息。

夜行性。昼間は樹上に止まり動かずに休む。

樹洞やキツツキの古巣で営巣。
食性は動物食。主に昆虫類、節足動物を捕食。

「ブッキョッキョ、ブッキョッキョ・・・」と甲高い声で連続して鳴く。

【サイズ・形態】
全長19‐21㎝ 翼開長47‐54㎝。

雌雄同色。体色は赤色型および暗色型の2タイプがある。

暗色型は灰褐色。赤色型は赤褐色。枯れ木や樹皮の色になじむように擬態できる体色。

それぞれ色は一様な色ではなく、それぞれの地色に黒や白や褐色の濃淡が混じる。

顔の周りに細い黒縁があり、下面には上述のような色の細い縞が入る。

羽角は短い。たたむと目立たない。

クチバシは暗黒灰色。脚は灰褐色。虹彩は黄色。

【その他】

愛知県の県鳥に指定。


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<ここから鳥の写真>
『コノハズク(Eurasian Scops Owl)』
定番ですが、本種を記事にするとブッポウソウとの関係書かなければなりません。

上述の通り、本種の鳴き声は「ブッキョッキョ・・・」。

夏鳥なので、5‐6月に声を聴くことが出来ます。

本種の生息する奥深い森には同じころに夏鳥として飛来するブッポウソウも生息しています。

夜行性の本種は目に触れる機会も少なく、一方、声は静かな夜の闇に響きます。

昼行性のブッポウソウの存在は目にされているので、この声の主は「ブッポウソウ」の声ということで通っていた時代があります。(「ブッキョッキョ♪」=「ブッポウソウ(仏法僧)」)

 

Wikipediaを抜粋しますと

「1935年(昭和10年)6月7日、日本放送協会名古屋中央放送局(現在のNHK名古屋放送局)はブッポウソウの鳴き声で有名な愛知県南設楽郡鳳来寺村(現在の新城市)の鳳来寺山でブッポウソウの鳴き声の実況中継を全国放送で行った。午後9時(21時)55分から30分間放送し、その間よく鳴いたが、放送中や放送後にゲストの俳人・荻原井泉水、歌人・川田順、愛知県史蹟天然記念物調査委員・梅村甚太郎の3人の話がうるさいという非難の電話が殺到した。これを踏まえて、翌6月8日はゲストを呼ばずに鳴き声だけにする(番組内容を伝えるアナウンサーだけをおく)ことにし、前日と同じ時間に放送した。すると、この晩もよく鳴き、放送終了後、昨日とは打って変わって絶賛の電話が殺到した。

その後、この放送を聴いていた人の中から「うちの飼っている鳥と同じ鳴き声だ」という人が現れ、その飼っている鳥を見せてもらうとその鳥はコノハズクであった。そのコノハズクは東京・浅草の傘店で飼われていたもので、生放送中、ラジオから聴こえてきた鳴き声に誘われて同じように鳴き出したという。鳴き声も「ブッ・ポウ・ソウ」と確かに鳴き、長年の謎だった「ブッ・ポウ・ソウ」の主はコノハズクだということが、ようやく確認された。」

 

とあります。

こんなことがあったから?愛知県の県の鳥に指定されたのかもしれませんね。

 

こういう曰く付きというか物語のある本種を「声のプッポウソウ」と呼ぶこともあります。

 

コロナ過以降、キャンプが流行っていますが、奥深い山や渓谷の森の中、耳を澄ますと、静けさの中、「ブッキョッキョ」と響く声を耳にできるかもしれませんよ。

赤色型

雛っ子

 

暗色型




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