タカ目タカ科ノスリ属
学名 Buteo japonicus
和名 ノスリ
英名 Eastern Buzzard
【分布】
中央・南シベリア、モンゴル、中国、日本に分布。
温帯亜寒帯地区で繁殖し、亜寒帯域の個体は温帯や熱帯域に渡り越冬。
日本では、亜種ノスリ、亜種オガサワラノスリ、亜種ダイトウノスリ(絶滅)が分布。
亜種ノスリは、北海道、本州中部以北、四国の山地、九州の一部にて繁殖。繁殖地では留鳥。
冬期は南西諸島を除く全国に冬鳥として飛来。
亜種オガサワラノスリは小笠原諸島に留鳥として生息。
亜種ダイトウノスリは絶滅したと思われるが、標本もないので、亜種としての扱いに疑問視説もある。
種ノスリは、Buteo buteoとして、種として分類され、亜種分けして区別されていたが、近年、分子系統による分類のにおいて、3つの系統に種として分けられた。
●ヨーロッパノスリ(Buteo buteo) 種ノスリとは系統的に遠縁とされた。
●ノスリ(Buteo japonicus) マダガスカルノスリが近縁種となる。
●ヒマラヤノスリ(B. refectus) 本種は、オオノスリに近縁とされる。
【生態】
平地から山地の森林にて繁殖および生息。
冬鳥として飛来する個体は河川敷や田畑に生息。
主に樹上に木の枝を組んだ巣を作り営巣。
食性は動物食。小型哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類、節足動物、環形動物、陸生の貝類などを捕食。
狩りの手法は、ホバリングしながら地上の獲物を急降下して捕らえる方法と
樹上から獲物に向かって急降下、もしくは匍匐低空飛行して捕らえる方法がある。
後述の獲物の捕り方の「野を擦る」様子から命名されたともいわれるが、諸説ある。
【サイズ・形態】
全長50‐60㎝ 翼開長100-140㎝。
メスの方が大きい。
頭部が淡褐色で、褐色の斑が密に入る。
喉と太い顎線は濃褐色。
背からの上面は淡褐色から暗褐色で、白い斑や、羽縁が入る個体もいる。
胸~下面は白みがかた淡褐色に褐色の縦斑が入り、腹部の中~下部あたりに濃褐色の帯が入る。
ふ蹠に羽毛は無し。
虹彩は暗褐色。蝋膜は黄色。クチバシは黒。脚は黄色。
幼鳥は背面が淡褐色、または灰色味を帯びた褐色。虹彩は灰褐色。
飛翔時、翼下面は白っぽい淡褐色(淡バフ色)。初列において顕著、次列、三列風切の先端が暗色。
翼角部に暗褐色のパッチ斑が入る。
翼は幅広く、尾は短い円尾で横紋は入らない。
体色は個体差や地域差が大きく、色の濃淡や斑の大きさなどに差異がある。
【その他】
亜種オガサワラノスリは日本固有亜種として、国の天然記念物に指定。
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<ここから鳥の写真>
『ノスリ(Eastern Buzzard)』
日本のタカでは、トビに次ぐ、目にしやすい種と思います。
特に冬期は全国の田畑、農耕地、河川敷で見ることが出来ます。
比較的、樹上や杭など上に目立つように止まっていることが多いので、見つけやすいタカともいえます。飛翔時も非常に特徴的で、翼の下のパッチが特徴的で識別も容易なので、是非、冬期の楽しみとして探してみてください。
本種の個体差は、ハチクマ、チュウヒとともに差異が幅があり、それを楽しむ人が多いです。
特に、ハチクマと本種は渡りの季節にまとめて確認できることから、渡りの観察の目的として楽しむ人がいます。
私は、渡りの季節というよりも、越冬期の個体差を楽しんで撮影しています。
色の濃い個体、白っぽい個体、典型タイプ、幼鳥・・・など
営巣
抱卵期に気を使って観察を遠慮していたら
思いのほかでかくなっていて・・・
なんと一羽が巣立った瞬間‼
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本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。
今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。