【日本の野鳥#17-23】オオジシギ(Latham's Snipe) | 鳥好きFPのつれづれ日記2

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自然ものの写真をご紹介していきます。
野鳥が中心ですが、風景や草花、動物、きのこたちも登場します

記事の前半は「よもやま話」
記事の後半に「自然ものの写真」をご紹介です。

チドリ目シギ科タシギ属

学名 Gallinago hardwickii

和名 オオジシギ

英名 Latham's Snipe

 

【分布】

日本(主に本州中部以北、熊本県でも繁殖例あり)、ロシア(ウスリー、サハリン南部)で繁殖。

オーストラリア東部・ニューギニア島で越冬。

 

【生態】

草地、農耕地、河川敷、湿原に生息。

食性は動物食傾向の強い雑食で、主にミミズを食べるが、昆虫、種子なども採食。

繁殖期には縄張りを形成する。オスは縄張り内を鳴きながら飛翔した後に尾羽を広げて「ザザザザザーッ」と大きな音を鳴らしながら急降下を繰り返すディスプレイ飛行で求愛する。

その音を模して「カミナリシギ」という通称もある。

 

【サイズ・形態】

全長29–33㎝ 翼開長50–54㎝。

上面や胸部は羽軸に沿って暗褐色と赤褐色の斑紋(軸斑)が入る。羽毛の外縁(羽縁)は淡褐色。

胸部を除く下面は白。

眼上部から後頭にかけて眉状に淡黄色の眉斑が入る。

クチバシ基部から眼を通り後頭部にかけて黒い過眼線が入る。過眼線が眉斑よりも細い個体が多い。

クチバシは長く、淡褐色で、先端が黒。

脚は黄緑色。

 

 

【その他】

野鳥識別にはJizzという識別があります。ジシギ類では、まずこのJizzで絞ってみることも有意義です。

Jizzとは、一言でいうと「印象」

いい加減に思われるかもしれないですが、皆さんも、、人の顔とかも、いちいちより目で大きくて、鼻は低くて、唇が厚いから○○さん。。。という識別はしないと思います。

あんがい、野外観察にいおいては、まずは第一印象で絞ってみることは、万能ではありませんが、効率よく見るにはいい方法なんです。

 

本種の「Jizz」としてほかのジシギに比べて白っぽい印象と面長、体が大きいためクチバシが短めに見える。

 

※ジシギ識別論争をするつもりはありません。
いろいろな見方をして楽しみたいと思っています。

識別の難しいグループの種の同定を楽しみながらのんびりやっていきたいと思っています。

いろいろなご意見をいただければ幸いです。

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<ここから鳥の写真>

『オオジシギ(Latham's Snipe)』

北海道に行くと上空を上下にバリバリと音羽立てながらフライトする本種を見る機会が多いです。

信州でも、何度か見たことがありますが、昨今はその確認をしたことがありません。

富士山麓の個体群は、継続して飛来してきているのかな?最近行っていないのでわかりません。

 

北海道では、電柱に止まる姿も見る機会があるので、それ相応の生息数がいると思われます。

 

そんな本種ですが、地球温暖化の影響で、大幅に生息数を減らしているというレポート目にしました。

上述の通り、本種の越冬地の主たる地域がオーストラリア東河岸。

記憶に新しいと思いますが、ここ数年、当地の大規模な火災(山火事)により、鳥だけでなく、動植物の多くの種が絶滅の危機になっているようです。

本種も、生息地の火災によって、および草地の減少など環境変化も含めて数を減らしているということです。北海道におけるここ数年の生息数の記録の変化(減少)が、火災とリンクしているようです。

 

こうしたレポを耳にすると、やはり温暖化は、様々な生物に影響を与えていることが分かりますね。

 

繁殖地の保全がしっかりしていさえいれば、本種に限っては、焼き払われた森の草原化で、数の復活となるのかもしれません。

大陸間を「渡る」という習性の鳥類の保全は、繁殖地だけではなく、越冬地、渡りの中継地の保全も必要だということを考えさせられる事例といえます。

 

そんな本種を。

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本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。

今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。