ペリカン目サギ科アオサギ属
学名 Ardea cinerea
和名 アオサギ
英名 Grey Heron
【分布】
ヨーロッパからアジア・アフリカ大陸にかけて分布。
寒冷地に分布する個体群は、冬季になると南へ移動。
日本では亜種アオサギが夏季に北海道で繁殖のため飛来し(夏鳥)、冬季に九州以南に越冬のため飛来し(冬鳥)、本州・四国では周年生息する(留鳥)。
日本には亜種アオサギが生息。
◆亜種 アオサギ Ardea cinerea jouyi
中華人民共和国北部から朝鮮半島、日本からスマトラ島・ジャワ島にかけて生息。
◆Ardea cinerea cinerea
アフリカ・ヨーロッパからインド・東アジアにかけて生息。
◆Ardea cinerea firasa
コモロ、マダガスカル、アルダブラに生息。
◆Ardea cinerea monicae J
モーリタニアに生息。
【生態】
河川や湖沼・湿原・干潟・水田などに生息。
食性は動物食。魚類、甲殻類、両生類、爬虫類、昆虫、鳥類の雛、小型哺乳類などを食べる。
小型のエサはクチバシでつまみ上げるが、大きな魚などは、突き刺すこともある。
集団繁殖地(コロニー)を形成。
翼を下げながら広げた姿勢で、日光浴を行う。
【サイズ・形態】
全長88 - 98㎝ 翼開長150-170㎝。
メスよりもオスが大きい。
頭部は白。
額から眼上部・後頭にかけて、黒い筋模様が入る。
体上面は青灰色。
背に灰色の羽毛が伸長する(飾羽)。
下面は白い羽毛で被われ、胸部の羽毛は伸長(飾羽)する。
前頸から胸部にかけて、破線状の黒い縦縞。
側胸や腹部は黒。
雨覆の色彩は灰色。初列雨覆や風切羽上面の色彩は黒。
翼角の周辺には2つの白い斑紋が入る。
虹彩は黄色。クチバシは黄色。脚は暗褐色。
繁殖期になると、クチバシや脚が赤みをおびる。
【その他】
学名の種小名cinereaは「灰色の」の意。
英名も「Grey」。
和名は「アオ」。
日本人の「アオ」の感性はとても豊かで
鳥の和名にもたくさん使われています。
しかし、本来の「アオ=青」の鳥は結構少ないんです。
アオシギ→体色は「やや灰色帯びた茶色」。
アオサギ→体色全体が「灰色(青灰色)」。
アオアシシギ→繁殖期の脚は「黄緑」。
アオツラカツオドリ→クチバシ基部の裸出した肉色が「紺」。
アオバト→体色全体が「緑」。
アオゲラ→上面が「緑」。
アオジ・シマアオジ→これも「緑」「黄緑」基調。
アオバズク→これは体色からの命名ではなく、「青葉」の季節に渡ってくるから。
ちなみに「オオタカ」の「オオ」は上面の色の「蒼」が由来という説。
むしろ、リアルに「青い鳥」たちには「アオ」と付けずに
コルリ・オオルリ・ルリビタキ→「瑠璃」
カワセミ(漢字)→「翡翠」
こうして並べてみると面白い。
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<ここから鳥の写真>
『アオサギ(Grey Heron)』
非常に大きなサギ。
悪食のイメージがあります。
以前、カメラを持つ前にカイツブリを突き刺して丸呑みしたシーンを見たことがあります。
ほかにも、小さいカメ、カルガモ雛なども見たことがあります。
そうしたシーンを見ると、恐竜のイメージがはまるんですよね。
実際に、「ぎゃお~(と聞こえる)」と叫びながら飛ぶ姿は翼竜のようです。
私が学生時代(もう、30年以上前)は今ほど目にする鳥ではありませんでした。
むしろ、見つけるとうれしい鳥。
冬鳥のイメージがある鳥だったのですが、今では、通年見ることができる
もはや「ものさし鳥」ともいえる存在です。
※「ものさし鳥」:スズメ キジバト ハシブトガラス トビ
大きさや特徴の基準になる鳥:○○よりやや小型など という感じで使われる
繁殖期の赤みを帯びたクチバシと脚。飾り羽も伸び始め。
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本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。
今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。