カモ目カモ科ツクシガモ属
学名 Tadorna cristata
和名 カンムリツクシガモ
英名 Crested Shelduck
【分布】
記録がある地域は中華人民共和国北東部朝鮮半島、日本、ロシア(ウスリー)
標本は朝鮮半島での採集3体
【生態】
詳細不明
生態に関する記録はないが、おそらくロシア・ウスリー・中国北東部で繁殖し、朝鮮半島や日本で越冬という渡りを行っていたと推測。
【サイズ・形態】
全長60cm 翼開長不明
オス:頭頂から首の後ろにかけて黒色の長い冠羽がある。
顔・首は黄灰色、胸の上部は黒色、三列風切羽は灰色で外側は赤褐色、これ以外の部分はほぼ黒色~褐色。
メス:顔面は白色、黒色の帯が眼の周りを囲み、胸の上部が黒くない。
オス・メスとも、くちばしと脚は黄色を帯びたピンク色。
世界に標本が3体のみ(オス1・メス2)
そのうちオス・メスの標本が山階鳥類研究所に保管保存されている。
【その他】
「わが国の鳥類学の草分けの研究者であり、江戸時代から博物学者の家系としても名高い黒田長禮博士(黒田所長の父上)は、1916年12月に朝鮮半島釜山近くの洛東江で採集された未知の鴨類の標本を入手した。カンムリツクシガモの第二標本である。黒田博士は1917年にこの鴨を、新種カンムリツクシガモ(Pseudotadorna cristata Kuroda)として日本鳥学会誌に発表された。この標本も雌雄不明であったが、とりあえず雄の成鳥として扱っている。黒田博士が発表した時には、27年前にこの鴨の第一標本が既に知られており、しかも雑種であると結論づけられていたことを、博士は知らなかった。
ここでこの鴨が新種であるのか、あるいは雑種なのかが問題になるのだが、江戸時代の鳥の図譜によって新種説の有力な証拠が次々に示されたのである。江戸時代の「鳥づくし」歌留多の一枚の朝鮮鴛鴦(チョウセンヲシ)がカンムリツクシガモの姿によく似ており、「觀文禽譜」の「朝鮮ヲシドリ」の記述がカンムリツクシガモの羽色とピッタリ一致することも分った。また文政6年(1823年)に北海道亀田で捕えられた雌雄の写生図も見付かった。さらには、1913年か14年に朝鮮半島で捕えられていた雄の標本が第三標本として発見されるに及んで、もはや雑種説は説得力を失った。」
以上 山階鳥研NEWS 1999年12月1日号(NO.129) より抜粋
「模式標本、1877年のウラジオストック産のメス(コペンハーゲン博物館所蔵)、1913 - 1914年の群山周辺産のオス(模式標本も含めて山階鳥類研究所所蔵)の3標本しかない。日本では1822年に北海道の函館周辺で捕獲された雌雄の写生図があるほか、観文禽譜の記述から享保時代以後に朝鮮半島から飼鳥として持ち込まれていたと考えられている。写生画の例として「観文禽譜」、松平頼孝家所蔵「鳥づくし」、黒田長礼家および松平直亮家所蔵の島津重豪による鳥類写生図など、1989年現在は計20点が発表されている。
1964年にウラジオストック周辺で3羽の報告例がある。1971年に朝鮮半島で報告例がある。1976 - 1988年に中華人民共和国で不確実な発見例がある」
以上 カンムリツクシガモ‐Wikipedia より抜粋
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<ここから鳥の写真>
『カンムリツクシガモ(Crested Shelduck)』
仮に1988年の中国北東部の目撃記録が正しいとすると、夢がやや現実をおびる可能性が高くなりますが、それでも、すでに30年を超える期間の記録がないことになります。
以前、国立科学博物館で展示があって、山階鳥類研究所の標本を見たことはあります。
ですので、勝手にライフリストに+1しています。
写真もないので
環境省の RL/BDB:環境省 の記事の中に、大学の後輩の箕輪義隆さんの描いたイラストが載っているので、そのスクショを貼っておきます。
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本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。
今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。