カモ目カモ科コクガン属
学名 Branta hutchinsii
和名 シジュウカラガン
英名 Cackling Goose
【分布】
20世紀初頭までは千島列島中部の宇志知島からアリューシャン列島に至るまでの広い範囲で繁殖し、大部分は北米大陸の西海岸へ、一部が東アジアに渡っていた。
その後、毛皮目的で放獣されたアカギツネやホッキョクギツネによる食害によって激減。
日本では昭和初期までは、宮城県仙台市付近にシジュウカラガンの一大越冬地があったが、1938年以降には飛来が途絶えた。
「政治的な壁により、立ち入ることさえ不可能だったシジュウカラガンのかつての繁殖地である千島列島でしたが、1991年ソ連の崩壊によって、日本人が入れるようになり、ついに1995年に日露米の共同チームは、カムチャツカの増殖施設で生まれた16羽の若鳥をヘリコプターで運搬。
繁殖地のひとつだったエカルマ島で最初の放鳥を実施することができたのです。その後、放鳥は2010年まで合計13回行われ、合計551羽の若鳥が放されました。
その結果、2007年には、初めて幼鳥を連れた家族群が日本に渡来し、野生下で繁殖していることが判明。
2010年には、100羽を超えるようになり、その後も順調に増加し、2017年にはついに5,102羽を記録。」(「」内はサントリーの愛鳥活動より抜粋)
現在では、定着したエカルマ島の近隣の島でも幼鳥の確認がされていて、繁殖域の拡大に期待が寄せられている。
全部で5亜種(うち1亜種は絶滅)
日本で観察される亜種はそのうち2亜種
◆シジュウカラガン Branta hutchinsii leucopareia
アリューシャン列島で繁殖。
カリフォルニアと日本で越冬する。
◆ヒメシジュウカラガン Branta hutchinsii miniwa
アラスカ西部で繁殖し。
カリフォルニアやメキシコで越冬する。
稀に日本でも確認される(迷鳥)
【生態】
海洋の急峻な島嶼で繁殖。
夜間、日中は安全な池や沼で休息し、首を背中の羽に入れて寝ていることが多い。
植物食。朝や夕方には、水田地帯で採餌し、地上を歩きながら、主に稲の落穂や二番穂や草の実を食べる。
【サイズ・形態】
全長約67㎝ 翼開長約140㎝
顔が特徴的。スズメ目のシジュウカラの頬の模様にそっくりなイメージの黒い顔に白い頬が特徴。
頸部に白い首輪模様があるが、輪の幅には個体差がある。
亜種ヒメシジュウカラガンはその白い頸部の輪がない個体が多い。
【その他】
英名の「Cackling」は賑やかな笑い声。
群れのそんな声を聴いてみたいです。
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<ここから鳥の写真>
『シジュウカラガン(Cackling Goose)』
実はまだ群れをじっくり見た回数が少ないんです。
新潟県の福島潟では見たのですが、遠くて・・・
北海道の冬の終盤の中継地でも遠かった・・・
他は交じりで飛来している単独個体ばかりなんですよね。
やはり、伊豆沼や八郎潟に出向かないといけませんね。
個人的には、シジュウカラガンのお顔つきがとても愛らしくて好きです。
ガンの中では、カリガネと並ぶ愛らしさマシマシの種です。
2022年11月追加
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本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。
今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。