第2章 取引と仕訳、勘定科目
2.商品売買取引
◆商品売買取引の処理
商品売買に関する処理についてはいくつかの方法がありますが、簿記検定試験では主に三分法(三分割法)が用いられます。
三分法では、「売上・仕入・繰越商品」の3つの勘定科目で処理を行います。
商品を売り上げたら売上、仕入れたら仕入で処理を行います。
◆仕入値引と売上値引
商品の代金をまけることを仕入値引や売上値引といい、仕入値引きは仕入の減少であるので仕入勘定の貸方に記載します。
一方で売上げ値引きは売上の減少であるため売上勘定の借方に記載します。
◆付随費用
・仕入に関する付随費用
仕入に関する引取運賃や損害保険料などの付随費用などの経費は商品の仕入価額に含めて処理します。
そこで商品の仕入価額(取得価額)は購入代価と付随費用の合計額となります。
・売上に関する付随費用
売上げに関する発送費などの付随費用を売り手が負担する場合には、販売費の一つとして発送費として処理し、買い手が負担するものを立て替えた場合には立替金で処理するか、売掛金と相殺する形で処理を行います。
◆売掛金と買掛金
・商品を掛で販売し、その回収を行った場合には売掛金勘定に記入します。
ただし、売掛金勘定への記録だけでは得意先ごとの発生や回収、未収額を把握することはできません。
そこで得意先ごとの明細を記入するための補助簿として「得意先元帳」に記入することになります。
・反対に商品を掛で購入した場合には、「仕入先元帳」という補助簿の記入を行うことになります。
・このように勘定口座として得意先名や仕入先名を用いたものを人名勘定と呼びます。
◆売上帳と仕入帳
・仕入を管理する補助簿を仕入帳といいます。
仕入帳には「摘要欄」「内訳欄」「金額」があり、帳簿の締め切りはまず総仕入高を集計して記載し、そこから仕入戻し高と仕入値引高を差し引き、純仕入高を記入します。
・売上を管理する補助簿を売上帳といいます。
売上帳には「摘要欄」「内訳欄」「金額」があり、帳簿の締め切りはまず総売上高を集計して記載し、そこから売上戻し高と売上値引高を差し引き、純仕入高を記入します。
◆売上原価の計算
・仕入れた商品を販売した場合、その販売した商品の原価のことを売上原価といいます。
・期首商品と期末商品がない場合の売上原価
仕入の勘定科目残高がそのまま売上原価になります。
・期首商品がなく、期末商品がある場合の売上原価
売上原価は、仕入の総額から期末商品の在庫額を控除した金額になります。
期末商品の在庫額は、仕入勘定から繰越商品勘定に振り替えます。
・期首商品も期末商品もある場合の売上原価
売上原価は、仕入の総額に期首商品を加え、期末商品の在庫額を控除した金額になります。
この処理を行うために、期首商品を繰越商品から仕入勘定に振り替えるとともに期末商品の在庫額は、仕入勘定から繰越商品勘定に振り替えます。
・売上原価を計算する場合には、売上原価BOXを書いて計算すると効果的です。
売上原価BOXは、四角の左側に受け入れ(期首在庫と当期仕入)を右側に払い出し(売上原価と期末在庫)を記載します。これによってイメージで売上原価を理解することができます。
・売上高から売上原価を控除したものを売上総利益といい、いわゆる粗利といわれます。
◆商品有高帳
・商品の単価は個別に把握することが困難なため、種類ごとに単価計算していくことになります。
・この単価の計算方法には、先入先出法や移動平均法などの方法があります。
しかし、その算定のため商品の種類ごとに受け入れや払い出し、残高を記録する補助簿が必要となってくる。この補助簿を商品有高帳といいます。
・先入先出法とは、先に仕入れたものが先に払い出されるという前提で単価計算を行います。移動平均法は、単価が異なる商品を仕入れた都度、その直後に存在する同種類の全ての商品を加重平均して単価を算出する方法をいいます。