家族の絆を育む相続、その目的と対策
こんばんは石川県の相続診断士、林雄介です。昨年、相続税の大幅な改正があり、既に1年半以上経ちました。どのような影響があったのでしょうか?まだデータが出ていないので、詳細は分かりませんが、世間では相続税の課税対象者が2倍に増えるとも言われています。平成25年の石川県の課税状況は金沢市で247名(納付税額41億6,000万円)七尾市で35名(納付税額3億7,000万円)小松市で62名(納付税額6億4,000万円)輪島市で20名(納付税額3億6,000万円)松任市で50名(納付税額7億3,000万円)石川県の合計では414名(納付税額62億6,000万円)となっています。ちなみにお隣の富山県は、377名で(納付税額84億円)となっており、資産家が多いのが伺えます。この状況をどのように捉えるかはそれぞれですが、私の感覚では、課税対象者が結構多い印象です。この数字が倍になるとしたら、、、恐ろしいですね。とは言っても、その割合は全体の1割にも満たない様な感じです。実際には、ほとんどの方が相続税は関係ないということになります。では、相続税が課せられない方々は何もしなくて良いのでしょうか?「ウチは財産無いから大丈夫!」「財産はこの家だけだから大丈夫だよ」という方が結構います。これは結構問題がある場合が多いです。特に、財産が不動産しかないという方。なぜ、不動産しかないという方が問題なのでしょうか?一番大きな要素は、分割できないということです。相続人が複数人いた場合、遺産分割が非常にしにくいです。昔ながらの財産は長男が継げばいいという家督相続という考え方が殆どなくなり、今では遺産は分割するという事が法律上も定められています。分割しなくてはいけないという義務ではありませんが、分割協議でもめた場合は、法定相続分という考え方に基づいて分割をしなければならない場合も出てきます。こうなった時に、相続財産である家に長男が住んでいた場合、おそらく家を手放して現金化するという訳にはいきません。では、どうなるか?自宅を引き継いだ長男が、自宅の評価相当分を自分の資産から他の相続人に分けるということが発生します。相続財産が自宅の土地建物しかなく、その評価が3,000万円だった場合、例えば相続人が自分を含め妹と弟の3人だった場合、遺産分割は各々3分の1となりますので、長男1,000万円長女1,000万円次男1,000万円となり、家を引き継いだ長男さんは長女と次男に1,000万円ずつ支払うということになります。この様に相続財産ではなく、自分の固有財産を使って、遺産分割を調整してしまうことを「代償分割」と呼んでいます。また、遺産は分割するという文化が出てきてからは、「相続」とは単に財産を引き継ぎ分けることという認識が広がっていますが、「相続」するのは財産だけではありません。本人の想い・伝統・しきたり・おふくろの味・技術・思い出など、本来引き継ぐべきものは沢山あります。財産ばかりに目が行ってしまい、遺産分割で揉めてしまうと、本来引き継ぐはずの大切なものが引き継げなくなってしまいます。「相続」の現場では、本人や家族の話を聴くことが私たちの役割です。実際にやることはこれだけと言っても良いくらいです。「納税対策」や「相続税対策」などのスキル的な部分は、必要あれば実行するという程度であり、それよりも、財産を残す人の遺志・引き継ぐ人の想いをお互いに知り、どう引き継ぐかを話し合うことで、円満な相続が実現します。そして、家族で共通理解が出来ていれば、漠然とした「不安」は無くなり、今の生活がより楽しいものになるはずです。若いから大丈夫ということではありません。大切な家族のために、今から始めることをオススメします。「何から始めていいかわからない」という方は、気軽にお声がけくださいね^^