私は、不動産会社の経営もしていることから、不動産の相談を受けることも多々あります。
先日、知り合い(以下Aさんとします)から、
「所有している戸建て住宅を売却したい」
という相談を受けました。
Aさんは、県外で仕事をすることが多く、ちょうどその地域の中古住宅(2階建ての5DK)を知り合いから300 万円で購入し、仕事の時にはその家に寝泊まりしているとのこと。
ただ、県外での仕事が終わり自身が住まなくなるタイミングで、売りたいとのことでした。
早速、現地調査へ行ってみると、外観はかなり年季が入っているものの、内装は一度リフォームされているようで、まだまだキレイなものでした✨
しかし!
売却するには問題がいくつありました
それは、、、
敷地が全く道路に面していない
対象物件は、道路に面した他の戸建ての裏にあり、幅1mに満たない私道を通って玄関まで行く形になっていました。
※そのために敷地内に駐車場がありません。
建築基準法では基本的に
幅4m以上の道路に、その建物の敷地が2m以上接していないと、建物を建てることができません。
例外として、その敷地の周りに空地がなるなど、火災の際に消防活動が十分にできると認められると、建築可になることもあります。
当該建物が立った昭和58年頃には、裏が空き地だったようですが、今はその空き地に建物が建てられており、建築基準法の規定を満たしていません。
今は当該建物が建っていますが、将来建替えができないとなると、売れる可能性は極めて低くなります。
敷地が借地になっている
登記簿を確認してみると、Aさんの所有は建物のみで、敷地は借地とのこと。
新たな購入希望者が、現金で購入するとしたら売れなくはないですが、敷地に抵当権が付けられないので、借入金(住宅ローン)を利用して購入することが、とても難しくなります。
更に、新所有者が将来的に売りたい、今の家を解体して新築したいと考えた時に、前述の建築基準法の面からも、借入金の面からも、希望通りに進む可能性はとても低いです。
ということで
この度はAさんには、売却ではなく賃貸物件として進めて行くことをご提案しました。
立地はとても良いので、借り手は見つかりそうです。
また、余談ですが、現在猫ちゃんブームと言うこともあり、猫ちゃんと住める賃貸物件を探している方も多いです。
ですので、「猫ちゃん可」とすれば更に借り手さんは見つかりやすいかもしれません。
また、この物件の地域は古い建物が多く、開発も進んでいるため、遠い将来、開発のタイミングで手放す日がくるかもしれません。
※断定的なことは言えませんが
それまでは収益物件として家賃をいただき、固定資産税を払っていきながら、少しでも財産づくりをしていきましょう、とお話しました
今回のように、割安で購入できる物件があったとしても、その先のゴールまで見据えると、購入がベストではないことも多々あります。
目の前のことだけでなく、将来のことも考えながら、上手に買い物をしていきましょう♫