先日、知人から
「右手の親指を粉砕骨折してしまった」
と連絡がありました。
仕事中に、300キロの荷物が崩れてきて手が下敷きになり、
周りに誰もいなかったため、15分くらいそのままでいたとのこと。
全治3か月。
仕事中のケガなので、もちろん労災使えるよね♪
と思っていた彼。
でも、そうでなかったことを知り、私に相談があったのです。
では、なぜ労災が使えないのでしょうか?
労働者災害補償保険(労災)とは
労働者の業務上の事由または通勤による労働者の傷病等に対して必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度で、その費用は、原則として事業主の負担する保険料によってまかなわれています。
原則として一人でも労働者を使用する事業は、業種の規模の如何を問わずすべてに適用されます。(中略)労働者はアルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係ありません。
(厚生労働省ホームーページより)
それではなぜ、今回のケースでは会社から補償がなかったのか・・・。
それは雇用形態によるものでした。
土木・建築業や、彼のようなトラックドライバーに見られるケースが多いのですが、
彼は、その会社の社員ではなく、その会社に業務委託を受けている形になっていたのです。
彼は個人事業としてトラックドライバーの仕事を請け負っていたということになります。
ですので、会社に「雇用されている労働者」には当てはならないのです。
ただ、今回のケースでは、業務委託元の会社の社長が、個人的に補償(支援)をしてくださったとのことでした。
この雇用形態が間違いなわけではなく、働く側は自分がどのような立場で会社と関わっているか、そしてそのうえでどのような補償があるかを知っておかなければなりませんね。
そうすることで、自分でどれだけ資金を準備しておかないといけないか、そのために保険に加入するか、貯蓄・運用で準備するかを検討することができます。
この機会に、一度自身の補償や、会社の補償を確認してみてはいかがでしょうか?