ナナメ俯瞰から見た僕 -800ページ目

山手線ナンパ事件その2

※その1を先にお読みください。











「ナンジ?」

男は、そう僕に声をかけた。

「?」

一瞬戸惑ったが、すぐに時間を訊ねているということに気づいた。

その男性は中年の外国人で、白人系だが小太りで背は高くなく、頭髪もさびしくて、なんだかさえないおっさんだった。


「It's twelve fifteen」

と、僕は腕時計を示しながら時間を教えてあげた。



するとそのおっさんはニッコリ笑って「Thank you」と言うと、
続いて話しかけてくる。


僕は、
(これは英会話の練習になるな)
と思って、会話につきあってあげることにした。



おっさんは、中古車の輸出業をやっているんだとか、自分のことについて話したあと、
お前は学生か? と聞くので、「Yes」と言うと、突然、明日はヒマなのか、と聞いてきた。

なんでそんなこと聞くんだろうと思いつつ、明日は授業がある、というと、
じゃあ授業の後で一緒にどこかに遊びに行こうと言い出した!


(何を言ってるんだこのおっさんは?)


僕がビックリして黙っていると、
おっさんは英語が聞き取れなかったと思ったか、

「アナタ、アシタ、ワタシト、アソブ」

と、のたまった。




ここへきて、ようやく事態を悟った僕は、
背中にサーッと冷たいものが走ると同時に、
頭がカーッとしてくるのを感じた。
怒り、じゃなくて、軽くパニクって、ボーゼンとしてしまったのだ。




「ノ、ノー」

かろうじて、そう口にすると、おじさんは

「why?」

と聞く。



(なぜっつったって、そんなものノーに決まってるだろうが!)

と思いつつも、気が動転して「ノー」としか言えない僕。




するとおっさんは、


「why?」じゃなくて、

「ホワァァァイ?」

と、悲しそうな顔で言い、さらにこう言うではないか。



「ワタシ、チュウコシャノディーラー、ヤッテル。オカネ、アル」

「ワタシト、アソブト、トッテモ、タノシイ」


(おいー!)







あ、長いな。その3に続きます。