会社という舞台で演技をするということ | 会社を辞めずに、富山へUターンしました

会社を辞めずに、富山へUターンしました

地方在宅勤務とノマドワークで、
始めてみました富山生活。

今回は、いつもとはちょっと違った感じです、、。

上司から、

代理店さんとの打ち合わせに、
今年入社した新人を同行させたのだが、
終始傍観者的で態度に緊張感がなく、
会議参加者としての姿勢も中途半端だった。
このような時、どのような態度と心構えで臨むべきか、
指導をするように。


という指示を受けました。

その彼。
どちらかというと内向的で、声も控えめ。
直属の上司から「返事は大きく!」
などと叱咤されることもままあるタイプ。

早速、本人に聞いたところ、
急遽同席を命じられ、そのプロジェクトについての知識もないので、
名刺交換もそこそこに、
どちらかと言うと目立たないようにしていたとのこと。

気持ちはわかるけど、それではダメだなぁ。
さて、どのように話そうか。

「態度と、心構え」と言っても、
「堂々と!ハキハキと!」じゃ、身になるとも思えません。


そこで、
「会社は舞台。仕事は演技。」
ということを伝えてみることにしました。


会社?演技?
最初は何のことか、理解できなかったようです。

まず彼に「想像してみて」と言いました。

会社では几帳面な人も、
家に帰れば物ぐさかもしれないよね。
会社では誰よりも精力的に仕事をこなす人も、
プライベートでは洗濯ひとつやりたくない人かもしれないよね。
会社では声が大きな人でも、
家族はそんな声を聞いたことがないかもしれないよね。
誰よりもボクなんか、会社と自宅じゃ別人なんだよ、
と。

では、なぜ会社では、
みんな几帳面でいたり、精力的でいたり、声を大きくしたりするのだろう?

それは、会社という「舞台」に相応しい、
普段とは違う自分を「演技」しているからではないのかな?
そして、「演技すること」こそが「仕事をすること」と考えてはどうだろう?


本来は物ぐさだとしても、
会社という舞台では、そんな自分が活躍する場所はないよね。
本来は面倒くさがりだとしても、
会社という舞台に、そんな自分の出番はないよね。
本来は声が小さくても、会社という舞台では、
そんなコミュニケーションは通じないよね。

だから、みんな演技をしてるんです。
社員も、経営者も、同じ仕事にかかわる他の業者の方々も。


さて、君が同席した会議が「舞台」だったとしたら、
君はどのような「演技」を期待されていたのかな?

舞台の主題は、あるプロジェクトを軌道にのせること。
代理店には大俳優もいれば、名脇役も控えている。
ウチの上司のような武闘派もいれば、技巧派の営業もいる。

みんな、この舞台で、
お互いが気持ち良く仕事をするために、
それぞれの役割を演じている。


ここで君は画面のすみっこに一瞬出てくる、
名もないエキストラだ。
そんなはした役だからといって、
演技ではなく、素の自分を出したらどうなると思う?
せっかくの舞台が、きっと台無しになるよね。

会議という意思疎通が大切な舞台では、
小声の演技(コミュニケーション)よりも、大きな声がふさわしい。
会議という多くの人間が集まる舞台では、
周囲のスピードにシンクロした、キビキビ・ハキハキとした演技がふさわしい。
何よりもこのプロジェクトを大切にしているという態度が大切なのです。
その仕事についての知識がなくても、そうした態度は示せるよね。

それと、もう一つ大事なことは、
「演技」だから、「自分を偽ること」にはならないということ。
大きな声を出すのがガラではなくても、
「演技」なんだから、自分のアイデンティティを傷つけることもないよ。
会社という舞台を降りたら、自分に戻ればいいだけなんだから。



みんなそうしているんだよ。


全員が、そのプロジェクトを第一に考えているかというと、
そんなことはないはずなんだ。

みんないくつかの仕事を同時進行で動かしている。
本当に気がかりな仕事は、別にあるかもしれない。
でも、このプロジェクトの会議=舞台では、
「他の仕事の方が心配なので」なんていうのはふさわしくないよね。
やはり、この舞台に合わせた演技をするべきなんだ。
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そんな話を15分くらいしてみました。

幸い、彼はある程度理解をしてくれたみたいだけど、
やっぱり、分かりにくかったかもしれないな、、と。