2023シーズンは、本当に波があり不安定さを露呈したシーズンだったかなと思います。
今回は、6月号からピックアップ。
コーナー「吉岡宗重FDが語る」
~目指すフットボールの整理と役割の明確化が結果につながる~
リーグで首位に立つ神戸に完敗し4連敗を喫した鹿島は、何かを変えるのではなく改めて目指すフットボールを整理し、それぞれの役割を明確にする事で課題解決のためのアクションがクリアになった。
攻守の歯車が噛み合ってきた要因を吉岡FDが紐解く。
4月15日、神戸をホームに迎えたJ1第8節、鹿島は1-5で敗れリーグ戦4連敗となった。
順位も15位まで落とす事態に陥った。
吉岡宗重FDは、中でも前半のアディショナルタイムに喫した2失点目に注視した。
「24分に先制点を許した後、前半の終了間際にも追加点を奪われました。
自分たちが課題としている試合の締め方、終わらせ方が試合終了間際だけでなく、前半の終了間際にも露呈してしまいました。」
また、リーグ戦4連敗という結果についてはこう言及した。
「連敗している事で選手たちが自信を持ってプレーできていないように見えました。
今季は、自分たちのフットボールを確立していく事はもちろん、対戦相手に対してどう戦っていくかという点も重要視しています。
相手があっての試合なのでそこも重要な事ですが、その前にまず自分たちがどう戦っていくかという事を今1度整理する必要があるのではないかと、1-5での敗戦、リーグ戦4連敗という結果を受けて強く感じました。」
4月19日にはルヴァンカップ福岡戦(1-2)もあり時間は限られていたが、岩政監督・コーチングスタッフとも議論を重ねた。
そこで吉岡FDは次のように語り、指導陣を後押しした。
「クラブが考えている事と、岩政監督がキャンプの時からアプローチしてきた事に相違は無いと、改めて伝えました。
ただ、それを選手に浸透させていくには、監督だけでなくコーチが任されている練習においても、選手たちに同じ事を繰り返し伝え、チーム全体に落とし込んでいく必要があるのではないかという話をしました。」
チームは生き物とよく言われるが、新しい事を提示すると最初に提示されていた事を見落としてしまいがちになる。
毎試合変わる対戦相手を見すぎるあまり、自分たちが目指すフットボールへの意識が薄れてしまっている所に着目した。
「岩政監督自身も、常に自分たちが目指すフットボールの方向性については選手たちに伝えてくれていましたが、完全に浸透させるためにはしつこいくらいに伝え、体に染み込ませていく必要があります。
チームとして今1度、そこに目を向けて欲しいと伝えました。
能力の高い選手たちが揃っているので、それができれば調子も上向いていくと確信していました。」
連敗を脱出する勝利となった第9節の新潟戦の戦い方について吉岡FDはこう語る。
「だから新潟戦に向けてチームは何かを大きく変えたという事ではなく、自分たちが目指すフットボールをいま1度整理して、それぞれの役割が明確になりました。
それによってチームの歯車がかみ合い、結果も付いてきたと見ています。」
その上で、2-0で勝利した新潟戦の内容に触れる。
「1点目は、開始3分という時間帯もさることながら、得点場面で樋口選手と仲間選手がニアに走り込んでいました。
相手GKが広瀬選手のクロスに対して目測を誤ったところもありましたが、DFも含めてニアに走り込んだ2人に意識が向いていたという効果もありました。
鈴木選手と広瀬選手の関係性の素晴らしさはもちろん、ボールの無いところでの動きがもたらしたゴールでした。」
まさにチームが意図している3人目の動きだった。
それはボールに関与するプレーだけを指しているわけではなく、ボールが無いところの動きも含まれている。
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神戸に1-5で負けたのは、スコアはもちろんですが精神的にも来ましたね。
完全に力負けとはまさにこの事。
自分自身、鹿島というチームのブランドに甘えてたというか・・・何やかんや言っても、どこかでそんな気持ちがあったかもしれません。
それを見事にへし折られた敗戦だったと思います。
「自分たちが目指すフットボールをいま1度整理して、それぞれの役割が明確になりました。」
とありますが、あの大敗があったから逆に選手たちが冷静に考えられるようになったのかなと勝手に思っています。
明日の後編に続きます・・・
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