トマ・ピケティ『21世紀の資本』について――格差是正のための税制とその現代における意味④ | MMエッセイズ 増田満のブログ

MMエッセイズ 増田満のブログ

「サングラハ教育・心理研究所」の会報誌、「持続可能な国づくりの会」の学習会などで発表したエッセイ等を掲載します

 労働と資本の格差の構造を時間空間的に示したのが次の表35です(.258の表を参考に作成しました)。この中の表4(資本所得の格差の表ですが、資産自体の格差を表していると見なすこともできます)を見て、1910年ヨーロッパと100年後の2010年ヨーロッパを比較してください。トップ10%のシェアは、先ほど述べましたように、1910(ベル・エポック期)90%から2010(今日)60%に30%減少しています。それに対して中間40%のシェアは、1910年の5%から2010年の35%に30%上昇しています。底辺50%のシェアはいずれの年でも5%で変化ありません。つまり、戦後の累進課税の結果、戦前の「最も富める10パーセントが失ったものの大部分」は、「『世襲中流階級』(富の階層の中間40パーセントと定義されている)が得ていて、人口の最も貧しい半数には渡っていない」(p.361)ようなのです。