日本料理歳時記~おいしい旬を追って~「春爛漫・お弁当」 | ちまちま

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てきとうにやってます。

キッコーマン料理講習会、以前近茶流嗣家・柳原料理教室副主宰の柳原尚之先生の講習を受け、とても勉強になったので、今回も参加させていただきました。

以前の記事はこちらです。
日本料理歳時記~おいしい旬を追って<七夕>~

この日、教えていただくのは、以下のとおり。
・おいなりさんと細巻きすし
・鶏つくねの若竹煮
・鯖竜田
・菜の花の辛子和え
・江戸厚焼き玉子

こちらの料理講習会、講習中は撮影禁止です。
最後に講師が盛りつけた作例を撮影することはOKです。

今までいろいろな講師の講習会に参加しましたが、柳原先生はとにかくしゃべる、よくしゃべる。
なのですが、無駄なお話はひとつもなくすべてを聞き逃したくないお話ばかり。
作っている料理に関する食材や調理方法の話がぐんぐん広がる話ばかりなのです。
ゆったりとしたリズムで教えられる方、おもしろ話満載の方も講師の中にはおられますが、その中で
誰よりも濃厚な講習だと思います。
以下、その濃厚な講習の上澄みを味わってみてください。

おいなりさん……にかぎらず、酢めしを冷ますのはねばりを出さないためです。
酢めしは絶対に混ぜながらうちわであおいではいけません。
まぜて、あおぐ。
まぜながらおあぐとねばりが出てしまうからです。
飯台の材質はさわらと決まっているのだとか。
水分をすごく吸う材質なので、必ず濡らして不必要な水分を吸わないようにして使います。

また、細巻きに使うかんぴょうの取り扱いも興味深かったです。
ほとんどのかんぴょうは漂白されています。
漂白に使われる亜硫酸ガスを抜くために、かんぴょうを水でもみ洗いしたあと、塩を揉み込んで置いておきます。
これであくを抜くとともに、わざわざ水につけてもどす手間も省けます。
煮たあとすぐに使うよりも、翌日まで寝かせた方が味もしみ、色もよい感じになります。

今まさに旬の筍は、若竹煮に仕立てます。
鶏つくねを入れることにより、筍にもつくねにもそれぞれの味わいがしみますよ。
鶏つくねはひき肉ではなく鶏胸肉をたたいて使います。
こつは作る直前にたたいた肉に水を混ぜること。
これでふんわり仕上がります。
タイミングが重要ですね。

筍の下ごしらえ方法もお教えいただきました。
私も帰宅後に、筍をゆでましたよ。
関西と関東では筍の食べる時期が異なるそうです。
関西では土に埋まっている状態の筍を掘るのが一番。
関東では少し土から頭を出している方がおいしいのですって。
土の違いによるものだそうな。
そうそう、これは使える!と思ったこつは、下ごしらえした筍は出汁などで煮る前に一度熱湯で霜をふって水をふると味がしみやすくなるそうです。

鯖のおろし方もお教えいただきました。
関東と関西の背開き腹開きの話も興味深かったです。
うなぎもそうですが、腹開き=切腹というのは完全に俗説のようですね。
これ、そのまま再現すると話が長くなるので割愛!

菜の花は水分の多い野菜なので、売られているときはしおれた状態です。
水に吸水させて、元気な状態になってからゆがくとはやく湯が通ります。
和え物にするときは、ゆでたあとに水につけないこと。
水分が多いところにさらに水っぽくなってしまうので、ざるにあげて冷まします。
これは白崎裕子先生も同じことをおっしゃっていました。

卵焼きを作るときの出汁と調味料はあらかじめちゃんと混ぜておくこと。
これにより、卵液をかき混ぜすぎずに済みます。
油はけちらない……とは言え、やはり主婦でもない、一ごはん作り人としてはちょっとびっくりな油の量。
火はつねに強火。
火加減は卵焼き器と火の距離で調整します。
あー、欲しいなあ銅の卵焼き器。

……というわけで、上記の材料をお弁当の重箱に詰めます。
こつは、大きいものから詰めること。
お弁当ってどうしても水平には持って歩けないので、なるべく隙間なく詰める必要があります。
動かしにくいものから詰めるのが鉄則だそうです。

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そうそう。
上の写真に裏返しのおいなりさんがあるでしょう。
柳原先生は、「渡る世間は鬼ばかり」の料理指導をされていたそうなのです。
視聴率が同帯で1位になったときは、楽屋に某寿司店のいなり寿司が供されるとか。
裏(番組)を食うということなのだそうです。

試食もおいしかったです。
ごちそうさまでした。