第五話 動揺と二人(2/2)
日が沈みかける夕暮れ、ディンはお店の片づけに取り掛かっていた。それなりに繁盛した店内は物寂しい。しかし、彼には彼なりに寂しさが続いていた。天井を見上げ椅子に腰かける。いつもと変わらない日常の中で変化を味わうとここまで寂しくなってしまうのか。 すると店の扉が開かれる。現れ出たのは朝方見かけた人物だ。さえない頭で見ていた時と比べると装飾をあしらっていた。何故来たのだろうかと思うにも、店は閉店中だ。母にでもばれたら、ただじゃ置かないだろう。ディンはその人物に尋ねることにした。
「すみません。閉店中なので入られるのは」
「こちらも急を要するものなのです。ディン様に頼みたいことがあるのです」
面倒事だな、直感で感じた。見ず知らずの頼みなど、どこかの借金の連帯保証人ぐらいしか思いつかない。ディンはその人を後ろに向かせて扉へと無理やり押し返す。しかし黙っている人でもなかった。足を踏みとどめると力任せにディンの手を跳ね除ける。
「ディン様、は、話を聞いてください!!お願いです!」
「…残念ながらそのような詐欺には乗らない」
「さ、サテラ姫にかかわることなのです!」
体が急激に固まり、いれていた力が緩む。その人はバランスを取り戻すと苦笑をした。思わぬ出来事で顔が引きつっているのだ。
「力、強いのですね。驚きです」
「…姫様に何かあるのか?」
その人はそれを聞くと吹き出し、笑い出した。その人のペースにまんまと嵌ってしまったディンは今の様子に追いつけていないのだ。
「あの」
「いえ、あまりにも『他人事』のように語られるので驚いてしまっただけです。気を煩わせてすみません」
先ほどの様子とは打って変わって、冷静に、ただ頭を下げた。丁寧な対応に王家に関係する高貴な人なのだろう。そう思うとディンも頭を下げる。目上の人を敬うのは当然なことなのだが、その人は慌てめき、ディンの顔を上げさせた。
「私はイサナギ、と言えばわかるでしょうか」
「…王家と深く関わりのある一族の名前でしたっけ」
そういうとイサナギは驚きつつもディンに微笑みをかける。
「博識のお方ですね。ええ、私は『イサナギ』の名を継いだ一族の者。イサナギと御呼びください。」
「あの、何故、自分が姫と…サテラと関係があるのだと思った?」
イサナギが面白そうに口角を最大限に挙げて意気揚々と語った。
「サテラ姫がその名を出すと頬を真っ赤に染め上げていたので、何となく!」
そう言われると何とも言えない勝者のような熱意がこみあげてきたのは気のせいだろう。
それからと言うものの、イサナギはディンに王宮で話したことをもう一度、語りだす。ディンは驚きを隠せず、自らの拳を固く握りしめ、近場にあった机をたたきだす。イサナギは冷淡に彼を見つめていた。
「どうかされましたか」
「…そんなの不幸すぎる」
イサナギはディンの言葉に首を傾ける。
「何故、そのように思われたのですか」
と、ディンに尋ねる。彼は睨むように自分を見て、視線を机に戻した。
「…わからない」
「は?」
ディンは椅子に乱暴に腰を掛け、頭を抱える。もし彼がサテラと幼馴染でなかったら、このような表情は伺えないだろう。そう思えるほど、彼がみじめに見えた。
「…そのイザナミさんが『姫』の力を分けなければ、アイツが『姫』として一生、城の中に閉じこめられることはなかった、からだと思う」
幼馴染ならではの考えだった。優しく強い方なのだろう。サテラを幼馴染として思っている彼。人は見た目によらないと言うのは本当の事らしい。イサナギはこの方になら話してもいいと思った理由なのだ。
「優しいのですね」
本音が漏れていたらしく、それを聞いたディンは身を引く。
「もしかして、コレでは…」
すっと右手を口元に寄せた。いわゆる、同性愛者を現すポーズだ。
「違います」
即答だった。
これが彼を動かす原因になったのだった。
では日曜日に
まぁ、頑張ります
書いているのに自信がないです←
お話は筋が通っているでしょうか
っとそれは置いといて
エルちゃんの帽子、可愛いですよね
今はテイルズの攻略本を買おうか迷ってます、
おはようございます