どんどん伏線を張って行かないといけない | Star☆Off

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自作小説、書いてます。
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第五話 動揺と二人(1/2)

 サテラが城に帰ると、近衛の兵が騒ぎ立てた。一日居なかっただけで騒ぎ立てる必要はないと思っている彼女にとってそれは騒音にすぎなかった。王妃や王に謁見を、という声に答えず部屋に篭る。周りの人には動揺を隠しきれていなかった。

 部屋に入ると前日と変わらなかった。寝具に飛び込むようにすると眠気が襲ってきた。そのまま暗闇に陥る。そして『姫』の力が発動しようとした。不思議に思わなかっただろうか、彼女の父親である王が謁見の間で彼女に一言も話しかけなかったことを。実のところ、王と彼女は一度たりとも話したことがない。それはサテラの『姫』の力に恐れをなしているためだ。彼女の力は’’Destination’’、ラテン語で’’’’と言う。所謂未来を見るというものだ。だがリスクは存在する。一時的に歩きがのろくなったり、食べ物の味覚を感じなくなったり、つまりこれを使用すると五感が鈍くなるのだ。治るにも時間差があるのが、今回は緊急を要するのでこれを使用することとした。けれど彼女に何の変化も見られなかった。ぐっすりと眠りについたのだ。

 

 翌朝、サテラは夢を通して何も見ることは出来なかった。いつもなら繊細に覚えているし、何より五感が正常に働いているのだ。明らかな変化だと確信し、ある人物を呼ぶよう付添いのメイドに命令する。

「至急、イサナギをここに!

 

 一方、ディンの方は朝一の素振りを終えて家に戻るところだった。またしても中央通りで何か騒ぎがあったらしい。サテラなのか、という期待もあったので、人々の間を掻い潜りその人物を見つける。穢れなき身丈よりある白のローブを身にまとい、顔を覆っていた。周りには近衛兵が護衛をして城に向かっている。ふと、こちらに目を向けた。逆光のせいでよく見えなかったのだが、うっすら笑っているように見えたのは気のせいだろう。ディンはその人が視界から見えなくなるまでその場に立ちすくんでいた。

城に着くと近衛兵は通路の端へより敬礼をする。その人物はご丁寧にお辞儀をして会談の間にいるサテラの元へ向かう。慣れた手つきでその場所へ向かい、扉をゆっくり開け放つ。細長い机を目の前にして中にはサテラ、国王、王妃の三人が椅子に座って待ち構えていた。その人は深々とお辞儀をする。

「おはようございます。今日は天気がよろしかったので心地よい日ですね」

 何のために呼ばれたのか知らないように天気について語る。その様子に王妃も呆れていた。国王はその不謹慎な愚か者に指を差し、言い放つ。

「き、貴様は何のために呼ばれたのか分かっているのか、イサナギ!

 イサナギとはこの国、ムタレが設立されるときの関係者で王家に仕えている一族だ。そして彼らはすべての万物のことを知り、それを記録し、後世に残す歴史家だ。国立図書館にも載っていないような世界の裏側を知っているのだ。しかし彼らは変わり者が多いため、あまり呼ぶ気になれない。余程の緊急事態がなければ世話になることはない、不思議な縁なのだ。

イサナギはローブの下で薄く笑い、返答する。

「はい。サテラ姫が『姫』としての力が使えないということでしたよね」

「…はっ。わかればいい」

 王は鼻で笑うがイサナギは表情を崩さず、空いた椅子に腰かける。

「ところでサテラ姫には恋沙汰のようなものはおられますか?

 急に話を振られたサテラは現実に戻され、戸惑ってしまった。

「え」

「例えば、幼馴染のディン様とか」

 一瞬で見抜かれたことと恋愛がばれてしまったことに驚きを隠せず、頬を真っ赤に染め上げた。そして勢いよく椅子から飛び上がる。

「な、なな、何をおっしゃるのですか!?

「ただの予想で言ったのですが、本当ですか。はぁ、なるほど」

 サテラはこの気まずい雰囲気を変えようと話題を元に戻した。イサナギは未だに頬を緩ませている。それがなんとも恥ずかしかった。そして語りだす。

「さて、『姫』とはなんでしょうか、お分かりですか?

「は?

 突然の質問に呆気にとられる王家の方々。イサナギは返答を待たず、ゆっくりと語りだした。その場はまるで水の中のように静まり返る。

「国民は『姫』を敬い、崇める。『姫』は普通の人であり、異形な力を持つ人外でもある。はたして『姫』は人か人外か分かりますか?

「…」

 イサナギの問いかけに対し、王家は皆黙るしかなかった。不思議と心の中に入ってくる言葉には説得力が存在する。水の波紋のようだ。

「答えは人それぞれ。…昔話をいたしましょう。最初の『姫』、イザナミはこのことに強く心を折られていた。人々が自分を崇める姿がさぞ、苦しかったのでしょう。彼女は『姫』の力を使ってそれを三つに分けたのです。それが今の三人の『姫』の力だと言われています」

 驚愕の真実である。そのような話は今までに聞いたこともなかったのだ。サテラは以前会った小さな少女のことを思い出す。彼女は何故自分を狙ったのか、何故自分の体から不思議な水晶が現れ出たのか。理解の早い王妃はイサナギに尋ねた。

「三国の『姫』の力は元々一つの物だったのですか?

「はい。それではこの話は終了とさせていただきます」

イサナギは授業を終わらせる教師のように呆気なく話を終えた。席を立つとお辞儀をし、会談の間の扉へ向かう。その様子にまた呆気にとられてしまう。イサナギに王は苛立ちを現した。机を勢いよく叩き、左手の人差し指を向ける。

「貴様、国の緊急に何を悠長な」

「…私がこの先を語れば、それは記録に残ってしまう。イサナギは星の裏側を語り継げる者、決して歴史に乗ってはいけないのです。では失礼しました」

 イサナギが重たい扉を開き、閉じた。そこには何とも言い難い空気が流れ込みしばらくは黙るほかなかったのだった。




こんにちは、

どうも朝一更新を邪魔されて少し不機嫌になりかけてます

さて、今回もまた長いのか、

どういうことなのって思ってるかもしてないですね

あぁ、

それとChristmas限定短編小説を書こうかと考えています

では水曜日