ノリタ66用の標準レンズとしてNORITAR 80/2が有名です。中判レンズで75〜80ミリクラスにはf 2は他にはなくて、発売当時から大口径レンズと逢て注目されていました。ただNORITARには他にも80ミリがあり、それはアメリカグラフレックスXL用で80/2.8というものです。ただ明るさが一段暗くなっていますが、アメリカでは買いやすい価格に標準レンズとして販売されていました。もちろん高級標準レンズはプラナー80/2.8でした。ただこの80/2.8は6枚構成で決して安物のレンズではありませんでした。それともう一月になるのがブロニカ用の80/2.4です。ブランド名はゼンザノンで、製造元は明らかになっていませんが、富岡光学かノリタ光学のどちらかではないかと言われています。もしこれがノリタだったらどうなるでしょう。このレンズもガウスタイプの6枚構成だったそうです。もし80/2.4もノリタ光学製だったとして、なぜ明るさの違うレンズをこれまで揃えたのでしょうか?それもレンズ構成は6枚でガウスタイプとなるとますます不思議です。全部同じ明るさであれば量産効果が起きて値段が安くできます。ただ別の設計だったとしたらどれも製造本数が少なくて商売にならなかったと思います。そこで閃いたのが昔よく行われていた明るさを変えて同じレンズを販売する方法です。と言ってもわざわざ暗い表示にするのではなく、製造過程でレンズの薄い縁などが破損したものを再利用して明るさを抑えて廃棄しないで再利用する方法です。ZUNOW50/1.3やTOPCOR 50/2.8などは、もともと大口径レンズとして設計されたレンズを製造途中の規格外になったものを利用して作り上げたと言われています。NORITAR 80/2を製造している途中で、出た規格外のレンズを再利用して80/2.8や80/2.4を作ったとすれば、製造本数が少なくても廃棄するものを再利用したということで利益率はかなり高かったのかもしれません。残念ながら私はこれら全てのレンズを持っているわけではないので直接比較ができませんが、もしこの推理が当たっているとすると、これら3本は完全な兄弟レンズだということになります。これら3本がとても気になります。