前回の続きのような話です。Kさん(中3)の話ではなく、塾講師としての話になります。


↓前回まで



わが都道府県の高校受験の苦しみとは。


前回の記事で、オーソドックスなのは「私立高校1校+公立高校1校」の2校受験で、それに国立大学附属高校や高等専門学校を足すケースがあることを書きました。


高専と国立附属の両方を出願することもできます。「国立附属→高専→私立→公立」という受験スケジュールはありえます。


公立高校は、多くの高校で定員割れを起こしており、過疎地域だけでなく、地域のトップ校はどこも倍率が低い傾向にあります。二番手、三番手校の倍率は高めです。


多くの受験生に

「冒険はできない…トップ校は受からない…」

「受かったとして、ついていけるのか…」

「でも公立の◯◯以下なら私立のほうが…」

という心情が働いて、二番手〜中堅の倍率が、どの地域でも高くなるのだと推察できます。推察…というわけでもないですが。


ここまで読んで、何が苦しいのかさっぱりわからないと思われた方もいらっしゃるかもしれません。


(……私立は全入で、公立は地域トップ校は避けられがち、高くても倍率1.5倍を超えるところはない………それって苦しいの…?)


はい。

長年の指導経験からもわかっていますが、実は、大多数はそこまで大げさに苦しくはありません。子どもたちは、受験という未知の怪物を怖がりますが、思いきりいけばだいじょうぶと励ますのも仕事です。案ずるより産むが易し。


大多数側を良しとするかどうかは人それぞれですが、マイノリティに向けられる羨望は確実に存在するので、塾講師として考えさせられることは多いです。


次回以降は、架空の具体例を挙げながら、独特の苦しさを解説します。