前回の続きです。



この都道府県は、国立の学校も複数あります。

商船高専、工業高専、国立大学附属2校。

これらの学校を志望する場合、受験パターンが変わります。


③高専が本命の場合

推薦を受けて、合否結果次第で学力試験も受けるのが普通です。評定平均などの指定された足切り基準が無いので、推薦がとれないということがあまりありません。ただし、高専は全入ではないどころかけっこうな倍率なので、推薦試験学力試験の両方で不合格も考えられることから、私立高校や公立高校も受験スケジュールには組み込みます。

ただし、工業高専は、内申点の他に特定の条件を満たすと100%合格する受験方法があるので、その資格がある場合は、高専のみ受験でもだいじょうぶです。ちなみに、特定の条件の一例では英検2級がそうです。特別推薦という方法です。他にもさまざまな条件が用意されているので、特別推薦の条件を満たすこと自体は、そこまで大げさに珍しい話ではありません(わが家の二人でも満たせました)。本命校の場合は、特別推薦受験は非常にオススメの方法です。


④西の国立附属が本命の場合

推薦制度があります。足切り基準はないので、本命の場合は推薦もとるのが普通です。推薦をとると、学力試験に加えて適性検査も受けられるので、チャンスが広がります。工業高専のような100%の制度はないので、推薦=合格ではありません。受験前に「合格すれば入学確約を宣言する」というイメージのほうが合っていると思います。地域の日程の都合上、最初の受験になる人が多く、本命の受験者は、合格した場合受験終了になるので、最も費用のかからない受験方法です。一貫の附属中学が中学受験県内最難関校です。中学受験では女子からの人気が高いですが、高校受験は男子の出願者が多くなります。本命校でない場合は、辞退の可能性があるので、推薦をとらずに一般受験をします。西の国立附属が本命校ではない人も一定数います。一般受験は、第一志望ではないと宣言したも同然なので、推薦受験者のほうが有利なはずですが、合格者のうちわけを見ると、推薦と一般は半々くらいです。学校のサイトに載っています。一般受験の合格者は、実際に、半数程度が辞退しています。例年は、定員より多めの合格者が出て追加合格は出ていません。


⑤東の国立附属が本命の場合

推薦制度はありません。受験方法はいたってシンプルで、出願者全員が同じように学力試験を受けるので、受験生の中に有利不利がなく、第一志望かどうかは合否に影響がありません。受験日が西の国立附属とかぶっており、両方を受けることはできません。中学受験はこの2校の日程が重ならないので、新幹線通学を視野に入れて両方出願する方がいらっしゃいます。県の東端に位置するため、隣県からの受験者も多く、本命の人も本命ではない人もいます。例年、合格者が定員数しか出ないので、倍率が毎年県内で最も高いです。したがって、偏差値サイトや模試にもよりますが、全県模試や大手学習塾模試等で、高校受験県内最難関とされています。正規合格者の手続き状況で随時追加合格の連絡があります。学校のサイトによれば、例年は、多少のバラツキはあれど、定員数の3割強が追加合格で入学します。中学受験合格者は男女比半々ですが、高校受験合格者は男女比関係なく上位から定員数で、男子合格者が多くなる傾向があります。志望者が男子のほうが例年多いです。


国立を志望する場合は、①の「私立1校、公立1校」に、国立を足すのが県内受験のオーソドックスな方法です。


県内の高校受験はおおむね上記のとおりです。

県外進学のケースもあります。

わが家もRさんは県外に進学しました。


わが県の高校受験の実情は、非常にシンプルなので、実に簡単で安直そうに見えるかもしれません。たしかに、多くを求めなければ、少子化のこのご時世もあってか、受験そのものはカンタンです。


しかし、何をもって良しとするかは人それぞれですが、わが県の受験の苦しさはとても独特だと思っています。その苦しさを次回以降で解説します。