コイバナ
恋花

「恩師の言葉」





彼と出会い初めての恋をして
自分なりに大切に育んで
幸せになる覚悟をして
一歩ずつ前へと進むことが
できました


「幸せになる覚悟」

これは恩師の言葉から
でした

高校生の頃の私は
周りの人達からは
落ち着いていると
よく言われていました

でも私は落ち着いている
のではなく
自然のことやもの以外
殆ど興味がありませんでした

友だちが心をときめかす
芸能人や恋愛にも。


ですから友だちの話しを
静かに聞いている事が
多かったように思います


多分そんなことから
私は落ち着いているように
感じられていたのかも
知れません


でも高校の恩師だけは
違いました


事あるごとに
よく話しかけてくださり
気遣って下さいました


先生は女性で
化学の授業はとても楽しみ
でした


ご家庭をお持ちでもあり
お子さんの小さい頃の話や
不思議体験などを交えた
授業でした


たとえば
つかまり立ちのお子さんと
お風呂に入っている時
一瞬目を離した隙に
湯槽に落ちてしまい

そして直ぐに浮き上がった
それはなぜか、などと
いう話しなどをしながら
授業に入って行くのです


ドキドキしながら
興味を持って
集中できる授業でした


先生はいつも
楽しい工夫を凝らして下さる
素晴らしい教師でした


私の家庭環境もご存知の上で
きっと私の物事に対する
希望の無さに
気付いておいでだったと
思います


進学の時も
とても親身になって下さり
今の私への指針にも
なりました


その先生のお言葉の1つに


毒あるものは
刺激的で
魅力的でもあり

食べ物も人も
美味しく感じるが

でもそれは
あくまでも毒であり
愛にはなれない

誠実こそが
愛を生む


というものでした
高校生の私にはまだ深くは
理解出来てはいません
でしたが


進学をして就職をして
社会を知り世間を知る内に
時々この言葉を
思い出していました


ある時
この言葉の逆を考えることを
思いつきました


毒の無いものは
刺激もないから
魅力的にも感じない

体にも心にも
良いものと分かっていても

美味しいとは感じにくい

でもそれはいずれ
本物のうまみを醸し出す

誠実こそが
愛を生むからである


というように。



そしてまた先生は
このようにも仰いました


ダイヤモンドの原石は
研磨機にかけられてこそ

素晴らしい輝きを放つ

人も幸せになるには
研磨機にかけられる
覚悟が必要



どの言葉もすぐには
深い理解が
出来ずにいましたが


心が痛いと感じるとき


思い出す
とても大切な言葉です


今もなお
感謝を深めております




そして



私は彼に対して一生
誠実な人でありたいと思う
私が生まれていることに
気付くのでした





つづく






**・*・*・*・*・**



どんな言葉に響いて

どんな事に結びつけて

どんな行動をとるのかは


人それぞれだけれど


それがその人の
人生にもなるのですね










女はであれ
賢く優しいとなれ

**+.° ♡ °.+**












一瞬


一生













コイバナ
恋花

「恋から愛へと向かうとき」



仕事中に彼を想うことが
ないように
チャンネルを切り替えて
いるつもりでしたが


思わぬことで
彼の優しい笑顔が
不意に思い浮かんで
しまいました


いつも可愛がって下さり
彼との事をご存知の
Y先輩が
「京子さん嬉しそうね」と
微笑んで優しくおっしゃり
私は耳が熱くなるのを
感じました…

(〃-〃)









彼とお付き合いを始めて
程なく遠距離恋愛となり
その殆どの時間が
文通と電話でしたが



その距離や時間が
彼と私に多くのものを与え
更に気付かせながら
ゆっくりと二人の気持ちを
育むことが出来て
遠距離恋愛は私たちには
向いていたように
今でも思います



親友のM美ちゃんが
「京子たちは山口百恵さんの
冬の色みたいだよね」
といつも言っていた事も
思い出しました


彼と私の思いは
ただ、ただ、
お互いを大切にしたい
それが同じだったと
思います



恋を大切に育みながら
結婚に向けて
一つ、一つ、
丁寧に進めていました


挙式の日取りも決まり
お仲人を立てて
結納が行われました



結婚指輪を二人で選びに
行ったとき


お互いを愛し
お互いを慈しむ事を
神様に誓い


その証に
指輪を交換するのだと思うと
結婚指輪は
恋から愛へ向かう力でも
あるのだと思いました


恋することは
彼との出会いから
3年半の歳月の中で
ときめく気持ちや
心待ちにする思いなどで
教えてくれたように
思います



愛することは
彼と共にする長い道のりで
学び育んでゆくものだと
思いました




挙式まであと半年と
なりました






つづく




**・*・*・*・*・**


運命の人というのは


命の人と書くから
人生を共に生きる相手の人が


それぞれに
運命の人
なのですね…








女はであれ
賢く優しいとなれ

**+.° ♡ °.+**










一瞬


一生












コイバナ
恋花

「イメージの色」



可愛い博多弁の彼女は
数年後にRくんと結婚をして
可愛い妻になり

男の子と女の子の
二児の母にもなり

やはりお料理じょうずで
明るくて
本当に素晴らしい
奥様になりました

つい先日もお電話で
「栗おこわを沢山作ったけん
今、玄関のドアに掛けとき
ました。
こげん時期やけん
会いたかったばってん
挨拶はせんで帰ったとよ。
寒むうなるらしかけん
京子さん気をつけてね」
と言ってくれました。

今もなお
可愛い博多弁の彼女
とても嬉しい
長いお付き合いと
なりました。






会社でポスター制作について
広告代理店の方々と
打ち合わせをする中で

女性歌手の方の
イメージカラーについて
こちら側の意向を
伝えるのに
随分と時間がかかりました


やっと終わると上司が
「皆んな、お疲れ様!
イメージカラーは
すごく大事だからね」
と言いました


するとY先輩が
「私たち個人にも
それぞれイメージカラーが
ありますね、きっと」
と言いました

もう一人の先輩が
「自分では日頃意識して
いないけれど
他人からするとあると思い
ますね」と
資料などを片付けながら
イメージカラーの
話しを皆んなでしています


上司が
「そうだな、例えばY君は
ブルー系な感じかな。
いつも冷静だし。」

Y先輩が
「ありがとうございます、
私、ブルーが大好きなんです
でも…
冷たい感じしませんか」と

すると上司が
「冷たい感じなどしないよ。
むしろスマートなかっこよさ
が輝いていると思うよ」
言いました


なぜかY先輩は
そう言われて急に赤くなり
いつも落ち着いている
Y先輩には珍しいこと
でした


S先輩が
「私のイメージカラーは
いかがでしょうか。」と
言いました


上司が
「そうだな、Sくんは
企画部のムードメーカー的な
存在だから
オレンジ色とか
レモンみたいな色かな」と
言いました

S先輩はショートカットが
とても似合ういつも明るい
女性です

私は上司の色のイメージは
すごいなぁと
思いながら楽しく聞いて
いました


同僚のTさんが
「私もお願いします」と
言いました

「T君は、うすいピンクかな」
上司が言います

私もTさんは
桜のような優しいピンクだと
イメージしていましたから
嬉しくてTさんを見て
お互いににっこりしました

同僚のGさんは男性
「部長!自分も
イメージカラー教えて下さい」
と言いました


部長は
「うーん、君はだな…
イメージできないなあ」と
言って笑いました

仕事には
とても厳しい上司が
皆んなと一緒に笑い

張り詰めていた空気が
少しずつ和らいで
疲れが癒やされ
皆んな笑顔になって行きます


私はとても嬉しくて
この会社に勤めることが
出来て本当に良かったと
また思いました


すると
「京子さんはどうですか」と
S先輩が聞きました

上司は
「白。白のイメージだな」と
言いました


私は白と言われて
すぐに彼のことを
思い出してしまいました


会社では彼の事は
極力思い出さないように
チャンネルを切り替えていた
つもりでしたが

この時は
すぐに彼の優しい笑顔が
浮かんでしまいました


勤務中は結婚指輪以外は
着けてはいけないので
私の薬指には
指輪はありませんでしたが



彼が白い水中花を
私の手のひらに
そっと置いてくれたとき

「色んな花があって
迷ったんだけど
京子ちゃんを思うと
白い花
そんな感じがするから」

と、そう言ってくれた
白い水中花


いつも私の胸の中で
咲いていました


やっぱり
どこにいても
何をしていても


彼への思いは
いつも私の胸の中に
あることをとても感じた
嬉しい時間でした


家に帰り
日記と彼への手紙に
そう書きました





つづく





**・*・*・*・*・**


人が人をイメージする色は

何で出来ているのかな

その人の姿

その人の言動

その人の行動

その人の性格


その人の様々な事が
幾重にもなって
色を織り成すのかな


だから
いろんな色があっていいよね

その方が
とっても楽しいもの












女はであれ
賢く優しいとなれ

*+°.+*






一瞬


一生