女性道(女は花であれ) -20ページ目
コイバナ
恋花
「かわいい博多弁の彼女」
彼のお母様とお会いして
結婚をすると言うことを
「嫁」と言う言葉で
あえて教えていただく事で
私は幸せになる
覚悟が出来ました
私が22歳
彼のお母様が45歳の時
でした
*
彼と私の文通は
変わらず続いていました
こんなにも書くことが
あるんだねと
お互いに笑いながら
思いを文字で綴ることで
自分自身の気持ちを
一つ一つ
確かめる事も出来るように
感じていました
そして私は
彼の字が
とても好きでした
彼は横書きで
早いのに綺麗に書いた文字で
私は縦書きで
ゆっくりと書く文字です
彼と私の間で
繰り返される文通は
まるで
カタンカタンと
機織りのように
縦の糸と横の糸が交差し
ゆっくりと
時が重なりながら
丁寧に織られてゆく様な
そんな感じさえ
していました
お互いに会える日を
とても楽しみに
日々の仕事に打ち込みながら
先に希望をもって
過ごしておりました
そして
また数ヶ月後
彼と会える日が訪れて
この日は
Rくんたちとも
一緒に会いました
なんとRくんに
結婚を考えている彼女が
出来たと言うことで
彼も私も
とても楽しみにしていました
Rくんは
それまでも彼女さん数人
私たちは知っていますが
Rくんの口から
結婚の言葉を聞いたのは
初めてでした。
初めてお会いする
Rくんの彼女の可愛らしさに
とても頬がゆるみました
お顔も背丈も小さくて
黒髪がサラサラの
まるでお人形さんみたいな
彼女は2つ年下の
名前はNちゃん
お話しをしていて
更にNちゃんを可愛らしいと
思ったのが言葉でした
「京子ちゃん、Nとも
仲良くしてやってね」と
少し照れながらのRくん
そして
「今日はNがサンドイッチ
沢山作って来たらしいから、
みんなで食べよう。
ね?N、そうやろう?」
Nちゃん
「うん。美味しいなら
よかばってん…
食べてください」と
にっこりと微笑みました
私、なんて可愛らしいの。
と、思わず彼と顔を
見合わせて微笑みました
そしてRくんが
「Nは博多弁オンリーよ、
かわいかろう?」と
言って笑いました
声を文章で表現できないのが
とても残念ですが
声もまた可愛らしくて
博多弁が可愛く聞こえます
私は
「Nちゃんに会えてとっても
嬉しいです。
これからずっとよろしくね」
と言いましたら
Nちゃんは
「RさんからMさんと
京子さんのこと
いつも聞いとったけん
楽しみにしとったとよ」と
言ってくれました
人なつこい話し方と
可愛らしい笑顔に
私はまるで妹のような
気持ちになりました
そして
彼女が作って来てくれた
沢山のサンドイッチも
とっても美味しくて
きっと可愛いい良い奥様に
なるのねと思いました
Rくんが
「そう言えば京子ちゃんの
博多弁は聞いたことないね
話せる?わかる?」
と言いましたので
私は
「もちろん、わかるよ。
咄嗟には出て来ないけど
話せるよ、多分!」
と言いました
するとRくんが
サンドイッチを指して
「これ食べていいと?」って
言ってみて、と言います
私は
「これ食べていいと?」と
言いました
すると途端にRくんが
大きな声で笑い出しました
私はなぜRくんが笑って
いるのか分からずに
「え⁈アクセント変だった?」
と言うと
Rくんが
「こいつバカやん!」と
言って彼を指して
言いました
隣りにいる彼を見ると
彼はニコニコと
笑っているだけです
Rくんが
「京子ちゃん、もう1回!」
と言いますので
私はもう一度
「これ食べていいと?」と
言いました
するとRくんは
「こいつー!
やっぱりバカやーん!」
と言って
Mくんを指して
さっきより一層大きな声で
笑いました
笑っていないのは私だけです
Nちゃんも笑っています
するとRくんが
「京子ちゃんの博多弁に
Mが目尻下げとうとよ、
お前、どんだけ
京子ちゃんば好いとるかは
知っとうばってん
いいかげんにしとかな!」
と言うことでした
博多弁を標準語に出来ますが
日記のまま書くことにしました
意味が分かりにくいかと存じますが
ご容赦くださいませ
そう言われて彼を見ると
ニコニコと
私を見ています
私は彼に
「これでいいと?」
と聞くと
彼は
「うん。かわいいよ」って
言いました
(〃▽〃)
そんな彼を見てRくんは
「おまえ、いいかげんに
せんかー!」と
言ってまた笑いました
博多弁は女の子が使うと
可愛らしい言葉
なのだなあと
Nちゃんと出会って
改めて知りました
つづく
**・*・*・*・*・**
言葉って
とても大切なのね
私たち花には
言葉はないけれど
姿と色で
虫さんには伝わるね
もしかしたら
人にも何か伝わっている
かも知れないね♡
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生
コイバナ
恋花
「彼のお母様と私」
母は彼が料理を
しっかりと沢山食べる姿を
見ると
安心したかのような
表情を見せました
私は彼が嫌な思いを
するのではないか
お料理が口に合わない時は
無理しないで欲しいとも
お願いしていましたが
彼はどれも本当に
とても美味しかったし
料理を作って下さって
とても嬉しかったのだと
言ってくれました
母と彼に心から
感謝しました
そして
私は美味しい料理を作り
家族みんなで
賑やかに食卓を囲みたい
という思いがまた強くなり
ました
*
次の彼の外出休暇の時に
今度は私が彼のお母様と
お会いさせて頂く事に
なりました
彼のお母様とは
地域のお祭りなどでも
何度かご挨拶をさせて
頂く機会もあり
初めてお目にかかる分けでは
ありませんでしたが
とても緊張していました
*
お茶を出されて
ご挨拶をしましたら
「ぜんざい好き?」と
聞かれました
私は「はい、好きです」と
答えました
すると彼のお母様は
「それは良かった
たくさん作ったから
遠慮しないで食べてね」と
気軽な感じでおっしゃり
お話しをしている間に
とても気さくなかただと
思いました
電話が鳴り
彼が席を外しました
お母様が
「Mは優しいでしょう?
とっても良い子でね。」
と仰ったので
私は「はい」と答えました
すると
「でも、あなたのような
お嬢様を選ぶなんてねぇ…
うちは親戚も多いし
おさんどんが大変よ、
嫁として大丈夫?」と
おっしゃり
私は「お教えください。
努力いたします。」と
答えました
するとお母様は
黙っておられました
彼が席に戻って来ると
「話しは弾んでる?
お母さん、京子ちゃんを
よろしくお願いします」と
彼が言いました。
お母様は
「はいはい、」と
おっしゃいました
そこへ
おばあちゃまがいらして
「あら、いらっしゃい。
可愛いお嬢さんねぇ」と
優しい笑顔をくださり
彼の小さい頃の話しや
アルバムを出して
見せて下さったりと
場を和ませて下さいました
一緒に食事の片付けを
済ませて挨拶をし
彼の実家を後にしました
私が気を使って
疲れたんじゃないかと
送ってくれる車の中で
彼が言いました
私は
「おばあちゃまにも
お会いできて
とっても嬉しかった」
と言いました
彼が駐車場に
車を取りに行っている時に
玄関先で一緒に
待っていて下さった
おばあちゃまが
「Mは京子さんを
とっても好きなのよ。
あの子の嬉しそうな顔を
見せてくれてありがとう。
Mを宜しくお願いしますね
何か思うことや
困ったことがあったら
何でもおばあちゃんに
言ってちょうだいね」と
おっしゃって下さり
心の中が温かくなりました
そして私は
彼のお母様とお会いした事で
嫁になるという覚悟も
出来たのでした
つづく
**・*・*・*・*・**
どんな時にも
寄り添う気持ちがあれば
もうそれだけで
優しく強くなれるから♡
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生
コイバナ
恋花
「彼と母、母の愛」
M美ちゃんの言葉によって
求めていないのに
甘えじょうず
なのだと
知ることになりました
少し分かりませんけれど
彼がそれで心地良いのなら
私は甘えじょうずで居たい
と、そう思いました
*
ある日
私の薬指の指輪を見て
母が「本当にいいの?」と
聞きました
私は「うん。決めたの。」
そう言いました
母は母なりに
私をとても愛して育てて
くれました
美しい花を通して
色彩に興味を持ったのも
母のお陰だと思って
います
保育園の帰り道
小さな草花に
いちいち足を止めて
かがみ込む私を
急かすこともなく
叱りもせずに
じっと待っていてくれる母
中学生、高校生の頃の
毎日のお弁当は
蓋を開けると
まるでお花畑のようでした
家での食事も
料理に合わせて
ランチョンマットが変えられ
食器やカトラリーが選ばれ
和洋食のマナーまで
躾けられました
幼い頃は泣きながら
何度も繰り返し教えられ
食事の時間が嫌な時も
ありました
けれどそれは
食べ物を頂く事への
感謝でもあることを
自ら感じるように
なりました
そして話す言葉を
やはり厳しく躾けられ
ました
母は神戸生まれの神戸育ち
父は長崎生まれの長崎育ち
二人の共通会話は
ほとんど英語でした
私は標準語で育てられ
ました
私の中で
よそのお母さんと
自分の母との違いを
嫌に思う思春期が
ありました
よそのお母さんと同じように
していて欲しい
普通でいて欲しいと
思っていた頃もありました
途中で
父を愛せなくなった母
その事が何よりも
悲しかったのですが
母なりの私への愛を
感じながら
育ててもらい
心から感謝しています
そんな母と彼を合わせる
大切な時を
私は慎重に
窺っていました
母が指輪のことを
聞いたので
私の気持ちを話す機会が
与えられたと
思いました
彼との出会いから
私の気持ちの動きや
彼への信頼などを
静かに話しました
母は彼と会わせてくれるよう
言ってくれました
ただ、何度も繰り返し
母の口から出る言葉は
「あなたにお金の苦労を
して欲しくないの」
と言う事でした
母の思いはとても強く
感じました
それでも私は
彼の人間性を分かって
欲しいと
口には出さずに
心の中で思いました
*
それから
しばらく経ってから
彼と母に
改めて会ってもらう日が
来ました
彼は母が出したお茶に
手を合わせて
ひとくち飲むと
私への気持ちと
結婚の許しを願いました
母は「私の大切な娘を
あなたは幸せにすると
神様に誓えますか」と
厳しい口調で言いました
彼は「はい。
必ず幸せにします。
神様に誓います」と
母の目を見て言いました
母は
「私はあなたを信じたい。」
と言いました
そして母は立ち上がると
「おなか空いているでしょう。
お食事の用意できてるの」
と言いながらキッチンへ
行きました
私は心配で
彼の顔を見ましたら
彼はテーブルの下で
私の手をぎゅっと握ると
にこっと
頷いて見せました
*
私の両親のことは
早くから彼に話しています
彼は私の思いを知りながら
一緒に温かい家庭を
築いて行こうと
言ってくれていました
*
母が作った料理を
おかわりをして
汗をかきながら
とても沢山食べた彼に
母はやっと
本当に私を託す気持ちに
なったようでした
つづく
**・*・*・*・*・**
料理というものは
人と人との関係に
和みを与えてくれる
大事なものなのですね
(*´︶`*)♡
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生

