My Dear 66話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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「ふ~ん。まぁいいや。菜々子は嘘をつくのが下手だから本当にTakuyaから

食事の誘いにのったらすぐ顔に出るし。」

壁の時計を見ると11時を過ぎていた。今日、オフならば明日は賢治も仕事があるはず。

「ねぇ、もう11時過ぎてるけど。帰らなくていいの?」

賢治はそばにあったクッションを抱きしめると、

「今日はお泊りしよっかなぁなんて思ってるんだけど。ダメ?」

「ダメに決まってるじゃないの。ツイッターで私の住所とかも拡散されてるんだから

朝帰りなんてしたらまた週刊誌に載るわよ。」

3本目の煙草に火をつけながら、

「別に悪い事してる訳じゃねぇもん。俺だっていい大人なんだから

彼女位いてもおかしくないだろ。明日、早いんだ。菜々子のうちから

ライブのリハする場所が俺ん家から行くより早いから泊めてよ。」

「そんなに場所遠いの?」

「奈々子ん家から行くと俺ん家から行くより2倍早く着く。」

あくびをしながら、早くも私のベットにもぐりこんでしまった。

「しょうがないなぁ。今日だけだよ。」

「ラッキー。」

シングルベットだから狭くなってしまったけどそれはしょうがない。

私が隅っこで寝ていると、横で寝ていた賢治がガバッと起き上がって、

「ダメだ。我慢出来ない。」

私のパジャマのボタンを外しながら、キスをしてきた。

そう言えば賢治との初エッチはお酒の勢いで記憶がないだっけ。

耳元にくすぐったくなりながら、私は賢治を受け入れた。

あ~あ~。私も明日、早いんだけどなぁ。

もしかしたら賢治はこれが目的で居座っていたのかもしれない。