My Dear  1話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

私には男友達が1人いる

子供の頃から泥んこになって遊んだ記憶が忘れられない

でも今は手の届かない人

表参道でスカウトされてあれよあれよとトップアイドルになった

時々、彼の昔友達としてテレビに出演して欲しいと言う依頼が来るけれどずっと断ってる

私は普通のOLだしテレビに出るなんて考えられない

ところがある日の事彼が私の実家にやってきた

お母さんは懐かしいのだろう

喜んで彼を招き入れたけど私は複雑な気持ちだった

なんで今になって私のうちに来たんだろう

「お~、奈々子久しぶり。元気してたか?」

「どうしたのよ、今になって。」

「久しぶりにオフが取れたから奈々子の顔でも見よっかなって思ってさ。」

「いいの?せっかくのオフにうちなんか来て。例の彼女はいいの?」

今彼、賢治はアイドルの三谷 恵美とスキャンダルになっている

数少ないオフなんだから彼女のうちに行けはいいのに

「恵美?あれは映画の宣伝で流した嘘のスキャンダル。だから何の関係もないよ。」

「芸能界ってそんな事してまで映画の宣伝するの?」

「こっちが黙ってたらスキャンダルだと思ってるリポーターも諦めるよ。」

「そんなもんかしら。」

私はコーヒーを入れると賢治の隣に座った

「相変わらず人気者ね。まさかうちに来るなんて思ってもいなかったわ。」

「来週からコンサートがあるからな。ちょっと一休み。」

「ふ~ん。」

「なぁ、お前今彼氏とかいるの?」

突然何よ

「いないけど…。」

「じゃぁ俺と付き合わねぇ?」

私は思わず賢治の顔を見てしまった

お母さんは嬉し気に、

「いいんじゃないの?子供の頃はあんなに仲が良かったんだから。」

なんて無責任な事を言ってる

私がトップアイドルの彼女?考えられない。

そして今になってそんな事を言いだした賢治の事が分からない