My Dear 1話から読む方はこちらから
「まぁリハしてる場所をメールで教えてもいいけど、俺奈々子の携番もメアドも知らないぜ」
付き合い始めて半月が経ったというのにメアドの交換もしてなかった
「そうだったね。携帯貸して」
私は賢治からクロムハーツのカバーがしてある携帯を借りると
私の携帯番号やメアドを入力した
「はい。ここから私の携帯に連絡出来るよ。テストで賢治の携帯番号を書いて送ってよ」
「オッケー」
程なく賢治の携帯から私の携帯に賢治の携帯番号を知らせるメールが入ってきた
私はその携帯番号とメアドを自分の携帯に登録して時間を見た
「ね、もうそろそろ鍵出来てるんじゃない?」
賢治は腕時計を見ると腰を半分上げながら
「そうだな。じゃぁ行くか」
賢治は素早く伝票を取るとさっさと清算してしまい私は私の分を支払う隙もなかった
「賢治。ご馳走してくれるのは嬉しいんだけどたまには自分の分は自分で出すよ」
「ば~か。こういう時は男が払うもんだよ。恥かかせんな」
女性が払うのが男性にとって恥になるのかなぁ
隣りの鍵屋さんに行くと若い店員さんは笑顔で私達を迎え入れてくれた
「合鍵、出来てますよ」
渡された鍵には緑色のハートの形を少し縦に伸ばした様なストラップがついていた
「あの、ストラップは注文してませんよね」
「それは当店のサービスです。3つそろえると三つ葉のクローバーになって
4つそろえると四葉のクローバーになるんですよ」
言われてみたら四つの鍵のストラップをそろえると四葉のクローバーになってた
なんだかこれってロマンチックだな
「すみませんけどこの3つの鍵は一緒にして下さいますか?
この鍵って同じマンションの鍵なんです」
「いいですよ。ちょっと待って下さいね」
店員さんは一度私の手元にあった鍵3つを再び作業場に持っていって一緒のストラップにしてくれた
これで賢治のマンションの合鍵には三つ葉のクローバーのストラップが出来たわけで
それを見て私はクスクス笑った
賢治はハートにも見えるストラップをプラプラさせると
「俺がハートのストラップねぇ」
ってブツブツ言ってた
「いいじゃない。2人合わせたら四葉のクローバーになるんだから」
私は店員さんの粋なサービスに感謝した