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「賢治って、Takuyaさんの話になると機嫌悪くなるね」
いつも疑問に思っていた事を聞いてみたら、明らかに機嫌がさらに悪くなった
「奈々子からTakuya見て、どんな感じ?」
「う~ん。優しいお兄ちゃんってとこかな。頼りにもなりそうだし」
賢治はアイスコーヒーに入ってる氷を指でクルクル回すと
「だよな。ふつ~はそんな印象かもな」
「違うの?」
暫くアイスコーヒーの氷をストローでクルクル回しながら黙ってた賢治だけど
「告げ口みたいでやなんだけど、結構あいつって女癖悪いんだよ
あのさわやかオーラ出しといて、気にいらない事があったらすぐ切るんだよな」
それは私がTakuyaさんに対して抱いていたイメージとかけ離れていた
「そんな感じに見えないけどなぁ。」
「最初はそんな風に誰だって思うみたいなんだよな
でも結構な修羅場潜ってる奴だよ」
「それで?なんで賢治は私がTakuyaさんの話をすると機嫌が悪くなるの?」
「これって俺の勘なんだけど、多分Takuyaの奴、奈々子の事気に入ってると思う」
「え~。それはないよ。だってTakuyaさんって私達が付き合ってるの知ってるんでしょ?」
アイスコーヒーを飲み干すとため息をしながら
「相手に彼氏がいよ~がいまいが、そんな事気にする奴じゃないし
俺としては奈々子に対して何かしないか心配なわけ」
「気のせいだと思うけど…。」
「そこだよ!そこ!最初の印象で騙されるんだよ」
そっかなぁ。賢治の気のせいだと思うけど
そんなに女性に対して悪い印象を持ってるならなんでコンサートでのバックメンバーに選んでるんだろ
「そこまで感じが悪いならなんでバックメンバーに入ってもらってるの?」
「あの女癖さえなんとかすればいい腕してるからだよ
今どきギターもベースもあそこまで上手い奴って貴重だしな」
私はTakuyaさんのあの笑顔を脳裏に浮かべながら、賢治が言ってる私が想像してるTakuyaさんの
ギャップに戸惑いを持ってしまった