My Dear  42話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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「賢治って、Takuyaさんの話になると機嫌悪くなるね」

いつも疑問に思っていた事を聞いてみたら、明らかに機嫌がさらに悪くなった

「奈々子からTakuya見て、どんな感じ?」

「う~ん。優しいお兄ちゃんってとこかな。頼りにもなりそうだし」

賢治はアイスコーヒーに入ってる氷を指でクルクル回すと

「だよな。ふつ~はそんな印象かもな」

「違うの?」

暫くアイスコーヒーの氷をストローでクルクル回しながら黙ってた賢治だけど

「告げ口みたいでやなんだけど、結構あいつって女癖悪いんだよ

あのさわやかオーラ出しといて、気にいらない事があったらすぐ切るんだよな」

それは私がTakuyaさんに対して抱いていたイメージとかけ離れていた

「そんな感じに見えないけどなぁ。」

「最初はそんな風に誰だって思うみたいなんだよな

でも結構な修羅場潜ってる奴だよ」

「それで?なんで賢治は私がTakuyaさんの話をすると機嫌が悪くなるの?」

「これって俺の勘なんだけど、多分Takuyaの奴、奈々子の事気に入ってると思う」

「え~。それはないよ。だってTakuyaさんって私達が付き合ってるの知ってるんでしょ?」

アイスコーヒーを飲み干すとため息をしながら

「相手に彼氏がいよ~がいまいが、そんな事気にする奴じゃないし

俺としては奈々子に対して何かしないか心配なわけ」

「気のせいだと思うけど…。」

「そこだよ!そこ!最初の印象で騙されるんだよ」

そっかなぁ。賢治の気のせいだと思うけど

そんなに女性に対して悪い印象を持ってるならなんでコンサートでのバックメンバーに選んでるんだろ

「そこまで感じが悪いならなんでバックメンバーに入ってもらってるの?」

「あの女癖さえなんとかすればいい腕してるからだよ

今どきギターもベースもあそこまで上手い奴って貴重だしな」

私はTakuyaさんのあの笑顔を脳裏に浮かべながら、賢治が言ってる私が想像してるTakuyaさんの

ギャップに戸惑いを持ってしまった