My Dear  41話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

My Dear 1話から読む方はこちらから

「ねぇ、ホントに映画観に行くの?」

「数少ないオフなんだ。やりたい事をやっておかないと次のオフがいつかわかないからな」

私の部屋に来てから何本目かの煙草に火をつけるとさっきまで読んでた

映画雑誌をまた広げてる

「じゃぁその前に行きたいとこがあるんだけど」

「合鍵を作りたいの」

「何々、もう合鍵くれるの?」

賢治は嬉しそうに映画雑誌を放り投げると私ににじり寄った

「うちに来るたんびに部屋の前で待ってられたらご近所さんにバレちゃうでしょ私達の事」

「あ、そ~ゆ~事ね。でも嬉しいもんだな、合鍵くれるなんて

ついでに俺のマンションの合鍵も作って奈々子に渡しとくよ」

「もらっても私、賢治のマンション知らないよ」

私は出かける手前、化粧をしながら賢治が合鍵をくれるって事に疑問を言った

「今日、映画観たら俺ん家に来ればいいじゃんか」

「ますます写真撮られて雑誌に載りそう…。」

「そん時はそん時だよ。それより準備まだかよ」

私は仕上げのチークを塗ると

「あと30秒待って。まだ普段着だし」

「女って面倒だな。化粧も時間かかるし。菜々子は可愛いんだからすっぴんでもいいんじゃねぇの?」

「そんな事言ってられるのは高校生までよ。すっぴんで外に出られる訳ないじゃない」

私は寝室にしまってる外出用の服を出すと大急ぎで着替えた

寝室から私は大声で

「で、観る映画決まったの~?!」

もう映画を観に行かないって言うのを諦めて賢治に聞いてみた

「恋愛系とコメディ系、どっちがいい?」

「どっちでもいい。でも最近の高校生とかが観てるのは避けてね」

「オッケー」

私は白いワンピースに着替えると

「はい、準備オッケーだよ」

賢治の前に立った

私のワンピース姿を見た賢治は口をぽっかりと開けて私を見てた

「どうしたの?何か変?」

「いや…。奈々子ってそう言う服似合うなって思ってさ」

「な~に言ってるのよ。それより観る映画決めたの?」

映画雑誌を広げてた賢治は一つの映画のタイトルを指さすと

「これって面白いらしいぜ。Takuyaが言ってた」

「Takuyaさんが?彼女と観に行ったのかなぁ」

「さぁな。」

自分からTakuyaさんの名前を出したくせして私がTakuyaさんの事を話すと必ず機嫌が悪くなる

なんでだろ