My Dear  40話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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私は賢治の大きすぎるTシャツを羽織るとキッチンに行って朝食を作り始めた

朝食と言ってもパンを焼いたやつとスクランブルエッグに野菜を添えたものだけど

朝食をテーブルに並べていくとズボンだけ履いて上半身裸の賢治が起きてきた

「な~に俺のTシャツ着ているんだよ」

「だってすぐそばにあったんだもん。着替えてると起きちゃうと思って」

「ふ~ん。この朝飯食ってもいい?」

「どうぞ」

賢治はテーブルの椅子に座ると黙々と食べ始めた

「そんなに急いで食べなくてもいいんじゃない?」

私はコーヒーを飲みながら呆れてしまった

あっという間に朝食をたいらげてしまった賢治は食後の一服をしながら今日の予定を話し始めた

「新宿まで映画観に行こうぜ。」

「そんな事したら私達が付き合ってるのがバレちゃうじゃない」

「いいんじゃねぇの?別に悪い事してる訳じゃねぇんだし」

「今度こそ写真付きで雑誌に載っちゃう」

私も煙草を引き寄せてメンソールの煙草に火をつけるとため息と共に言ってみた

言った所で聞く様な人じゃないって分かってるけど

賢治は早速、雑誌を広げて観たい映画を探してた

私の意見も聞いて欲しい…。

私はそんな賢治をほっといて寝室に行くと普段着に着替えて

借りていた賢治のTシャツを返した

返してもらったTシャツを着ると

「じゃぁ今日からやってる映画を観に行くとするか」

「え~、ホントに行くの?」

「数少ないオフなんだ。エンジョイしないとな」

本当に計画性がないんだから

知らないんだからね。写真付きで雑誌に載っても