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賢治を待つこと5分
カフェの前に真っ赤なフェラーリが止まった
まさかとは思ったけどその運転席には賢治が乗っていた
これじゃぁ賢治が変装しても車が派手すぎて賢治ってバレる様な気がした
「お待たせ。」
賢治は慣れた手つきで後部座席のドアを開けると私達を車の中に入れてくれたけど
なんだか落ち着かなかった
こんな高級車に乗った事もなかったし、賢治がこんな高級車に乗ってるとは思ってもいなかったから
「すごい車に乗ってるのね」
「デビュー5周年祝いで買ったんだ」
「俺達みたいな一般人にはなかな買えない車だよ」
そんな会話をしているうちに六本木に近づき
「じゃ、車置くから待っててよ」
そう言ってこじんまりとしたイタリアンの店の前で私達を降ろした
二人っきりになった時井上君は苦笑いしながら
「嵐山さんと一緒に食事をするのは構わないけど、本当は橋本さんと二人で食事したかったなぁ」
その言葉にびっくりしてしまった
まさに麻美が言った通りの事を連想してしまった
『井上君はあんたに気がある』
まさかね…。だったら賢治と食事をする事を承諾する訳ないし