My Dear  21話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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ご飯を食べに行くのは個室が取れる様なイタリアンとかの店かと思ったら

チェーン展開してる、普通の居酒屋だった

「ねぇ、個室じゃないとこに来てファンの子達に気がつかれない?」

「平気だよ。ファンの子達だって俺達がこういうとこでメシ食ってくの知ってるし」

それでも個室までいかなくても、奥の目立たない席にバックメンバーや

スタッフも含めて20人位で飲み会は始まった

「奈々子、何飲む?」

「じゃぁ…。梅酒」

この飲み会の会場には谷口さんは来ておらず、少なくとも私は安堵した

だってどう考えても私って谷口さんに嫌われてる様な気がするんだもん

スタッフの1人が皆の飲み物を頼んで

「じゃぁ順調なコンサートのリハ開始にかんぱ~い」

賢治の乾杯の声で飲み会は始まった

知らない人ばかりで最初は緊張してたけど色んな人が話しかけてくれて

緊張もほぐれてきた

特にTakuyaさん

「賢治とはどの位の付き合いなの?」

「小学3年生からです。中学も高校も一緒で賢治がスカウトされた時も一緒だったんですよ」

「そうなんだ。でもびっくりしたでしょ?幼馴染みが急に国民的アイドルになって」

「そうですね。でもまた再会出来て良かったと思ってます」

Takuyaさんの次の言葉には詰まってしまった

「それだけじゃないでしょ?賢治と付き合うなんて考えてもいなかったでしょ」

「賢治、そんな事まで話してるんですか?」

私は賢治の口の軽さに呆れてしまった