My Dear  7話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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賢治のあのテレビでの発言が気になったまま仕事をして私はマンションに帰った

すると私の部屋の前に人影があり、すでにリポーターに嗅ぎつけられたかと思って

身構えるとそこにいたのは賢治だった

「なんで私の部屋知ってるのよ。」

「おばさんに聞いた。入ってもいい?」

こんな所で注目発言をした賢治がウロウロしてたらすぐにレポーターに見つかると思って

渋々部屋に入れた

「あんな事を言ったら私の事がバレちゃうじゃないの。」

部屋に入れてからすぐに抗議をしたけれど賢治は意に介さない様だった

「『幼馴染み』ったって昔の友達はたくさんいるんだ。バレやしないよ。

それより考えてくれた?俺と付き合うの。」

「考えるも何も私、賢治の事昔の男友達としか思ってないもの。

それにあなたは芸能人でしょ?一般のOLとは世界が違い過ぎるわ。」

それを聞いた賢治はいきなり立ち上がり私を抱きしめた

「芸能人だってOLだって同じ人間なんだ。奈々子までそんな差別をするのか。

頼むから俺を一人の男として見てくれよ。」

正直、抱きしめられて私はドキッとしてしまった。

前の彼氏と別れてから2年は経っていたし、男性にこんな風に抱きしめられるなんてなかったから

自分の心臓がドキドキとしてるのを隠す様に賢治から離れると、

「いきなり何するのよ。びっくりするじゃない。」

「俺が抱きしめたいのは奈々子だけだよ。」

…。よくもまぁこんな恥ずかしいセリフ言えるなって妙に感心しちゃった

ドラマとかで言ってるからかもしれないけど

「コーヒー位は出すけどそれ飲んだら帰ってね。どこで誰が見てるか分からないんだから。」

コーヒーを入れながら賢治にそう言うと、賢治は本当に傷つけられた様に

「奈々子も冷たくなったなぁ。あんなに一緒になって遊んだのに。」

「自分の年齢を考えなさいよ。あの頃とは違うの。」

コーヒーカップを賢治に押し付けながら実はドキドキしているのを隠した