My Dear  5話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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「話があるから中に入ってもいい?」

こんな夜中に23の女の部屋に入るなんて考えられない

私が黙ってると、

「なんにもしねぇから。付き合って欲しい訳を話しておきたいだけだ。」

私は渋々賢治を部屋の中に入れると賢治は私のベットに座った

「こないださ、雑誌のインタビューで初恋の人は誰かって話になったんだ。

それで奈々子を思い出して。それから気になってしょうがなくなってさ。

奈々子には彼氏とかいるのかとか、どんな仕事をしてるのかって。

考えれば考える程奈々子の事が好きって事に気付いたんだ。」

部屋の隅っこに突っ立ったまま私は賢治の告白を聞いていた

私は賢治がテレビに出るのを見るたびに元気でやってるんだな位しか思ってなかった

賢治の隣りに座り、私は正直な気持ちを話した

「あのね、芸能人と一般人が付き合える訳ないでしょ

そりゃ、子供の頃は好きだったわよ。でも私は普通のOLなの

芸能界には綺麗な人がいっぱいいるじゃない。」

静かに諭す様に賢治に言ったけれど賢治には通じなかった様だった

「いや、俺には奈々子しかいないんだ

頼む!俺と付き合ってくれ。奈々子の迷惑にかける様にはしないから」

男性にここまで交際を申し込まれて嫌な思いはしない

だけど…。

「ちょっと考えさせて。」

私はそう言うしかなかった

「わかった。急に付き合ってくれなんて言った俺も悪いんだしな

でも真剣に考えてくれよな」

そう言って賢治は私の部屋から出て行った

賢治の真剣な告白に私は眠れなくなってしまった

賢治は芸能人。私はただのOL。住む世界が違い過ぎる

なのになんであんなに私の事を想ってくれてるんだろう