My Dear  2話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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「い、今さら何言ってるのよ。私は普通のOLなんだから無理に決まってるでしょ。」

「そんな冷たい事言うなよ。奈々子は俺の初恋の子だったんだぜ。」

そう言いながらも勝手にコーヒーを入れて一口飲んだ。

芸能人の賢治と普通のOLの私が付き合うなんて考えられない

それに賢治が本気で私の事を好きかも怪しい

疑わし気な視線で賢治を見ながら、

「5年も会ってなかった女友達の事、何で思い出したのよ。」

「デビューして忙しかったんだよ。で、前々から気になってた奈々子の事を思い出した訳。

昔は良く遊んだだろ。今彼氏がいないならいいじゃんか。」

「付き合う、付き合わないなんて簡単に決められないわ。」

私と賢治のやり取りを聞いてたお母さんは嬉し気に、

「いいじゃない。昔はあんなに仲が良かったんだから」。

「お母さん、あのね。子供の頃と大人になった今じゃ違うの。」

お母さんは残念そうに、

「お似合いだと思うのに…。」

と肩を落とした。

実を言うと私も子供の頃は賢治の事が好きだった。

でも大人になり、賢治が芸能界に入ってからはその思いはどこかにいってしまった。

今さら「付き合おう」なんて言われても困る