昨日は羽毛布団を2枚も出して、Tシャツとジャージを重ね着してしょうが湯を飲んで寝た。
それでも寒気は収まらず、熱を測ろうと思ったけど実際にどの位の熱があるのか
確かめるのが怖くて熱は測らなかった。
絶対熱があると思ったけど会社には行く事にした。
いつもより厚着をしてマスクをして会社へ行くと部長が、
「本当に大丈夫なのかい?熱があるんだったら休んでもいいんだから。」
ほとんど声の出ない声で、
「仕事ですから。」
とだけ答えた。1日休んだだけで、16,000円のお給料が飛ぶんだからやるしかない。
何度も咳をしながら仕事をしていると、見かねた部長が、
「近藤さん、今日はもういいから帰りなさい。君だけの問題ではなくて他の社員に
風邪が移っても困るからね。」
そう言われると帰るしかない。
「すみません。」
部長に頭を下げて私は帰る事にした。でも4時間は働いたから8000円のお給料は出る。
今日こそ風邪を治して明日は万全の体調で会社に行かないと。
こんな子供体質の私はよく風邪をひく。
これからの時期になったら今まで以上に健康管理に気を付けないと仕事に支障が出てしまう。
会社からの帰りにハートの形をした湯たんぽと身体を温める入浴剤を買ってから帰った。
途中で病院にも行った。こないだ行ったばかりなのにまた病院だから医療費もバカにならない。
自分で卵入りのおかゆを作り、何重にも着込んでそれを食べた後に
買ってきた入浴剤を入れてお風呂に入った。
お風呂から上がると汗をかいたからかもしれない。少しはすっきりとした感じがした。
9時を過ぎて早めだけど寝ようとしたら聡が来た。
「大丈夫かよ。」
「らいりょぶ。」
鼻声で答えると、聡は顔をしかめて
「全然大丈夫に見えないんだけど。メシは?食ったのか?」
私は黙ってコクコクとうなずいた。
「だじばなじもなんだがら、ながに入って。」
私は聡の為にコーヒーを入れて、自分にはココアを入れた。
「明日も仕事休めよ。来たって長引くだけだぞ。」
「ぞんなわげにはいがないじゃない。」
呆れた顔をしながら私を見ると、
「そんな声で仕事に来るのか?辞めとけ、辞めとけ。他の連中に移っても困るから。
川口さんにも俺から言っとくよ。」
そこまで言われると休むしかないのかなぁ。
「熱、熱測ったのか?」
「まだ。」
聡は勝手に私の部屋にある救急箱を取り出すと体温計を差し出した。
「測れよ。」
体温計を受け取って体温を測る。
その間、聡は今日契約したフランスの食品会社との契約書を見ていた。
独り言の様に、
「もうちょっとうちに有利な条件だったらよかったんだけどなぁ。あれが限界かぁ。」
書類をめくりながら呟いていた。
そんな間に体温計が音を出して測り終わった事を告げると、聡は手を出して、
「はい、見せて。」
体温計を渡すと、眉間に皺をよせていた。
「38.2℃。こりゃ明日は休みだな。」
早退したうえに次の日まで休むのは避けたかったんだけどなぁ。
取りあえず、温かくして寝て明日の朝熱を測ってから様子を見よう。
出来るだけ仕事には行きたいし。