幼馴染み 第2章 7話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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その晩からお母さんはお父さんと同じ寝室で寝なくなり、私の部屋で寝る様になった。


それは私が提案した事で、二人でいても喧嘩になっちゃうだけだし、


目を離せば何をするか分からないから。


私はちょっとした物音で目が覚めるから、そっちの方がいいと思った。


でも離婚は時間の問題だと思う。


悲しい事だけど。もしお父さんとお母さんが離婚したら私は絶対お母さんと一緒に暮らす。


きっと今付き合ってる女の人と再婚するだろうから。


『別れる』って言ってたけど、本当に別れるとは思えないし。



翌朝、私は学校に行くべきか迷った。私がいない間にまたあんな事しちゃうかもしれないから。


私がいつまでたっても制服に着替えてないと、お母さんが部屋に来て


「昨日はごめんね。琴音まで悲しい思いをさせちゃった。


お母さん、もう大丈夫だから学校行きなさい。」


「ホントに大丈夫?」


「大丈夫。」


「じゃぁ休み時間ごとに携帯に電話するから必ず出てね。」


「わかった。」


私は本当に大丈夫なのか心配しながら登校した。


自転車で守の最寄り駅まで行って、守が来るのを待つ。


5分位したら守が改札を通り過ぎていた。思わず守に、


「守っ!」


って駆け寄った。守も私の声で私に気が付いて走って私の元に来てくれた。


「昨日、大丈夫だったか?」


「うん。念の為今は私の部屋でお母さんと寝てる。」


「琴音が学校に来てる時は大丈夫なのかよ。」


「妙子さんにお父さんにもお母さんにもお説教してもらったから今朝はお母さんは落ち着いてる。


…。そう思いたいけど。だけど妙子さんにあれだけ言われたから大丈夫だと思う。


離婚は時間の問題だと思う。」


そこまで話してると真吾と正也も駅に来た。


私と守が真剣に話してたから何事かと話を聞きたがった。


「なんでもない。ちょっと守に相談してただけ。」


…。これって嘘じゃないよね。


私は家の事を話題にしたくなくて学校の話をした。


「ねぇ、私A組なんだけど担任の杉田先生って教科は何?」


「物理だよ。」


「私が数学の次に嫌いな科目だ。日本史の先生もあんまり面白くなかったし。」


「あぁ、あの先生ね。」


「あの先生って?」


「日本史の先生。やる気があるのかやる気がないのかはっきりしない先生なんだよ。


だから琴音の前の日本史の先生みたく歴史にはそう詳しくないと思うよ。」


「じゃぁ、山田先生のうちに通うしかないか。」


真吾が電車の手すりにぶら下がりながら、


「前の学校の先生ん家に通うのかよ。」


って呆れてた。


「だって山田先生の授業って面白いんだもん。」


「つくづくお前って日本史が好きだなぁ。」


いいじゃん。それでうちの事を考えない様にしてるんだから。