今日は病院の日。予約を入れてたからそんなに待たずに済んだ。
先生に寝れない事を言わなきゃ。
「先生、今もらってる睡眠薬じゃ寝れないんです。」
「う~ん。じゃぁちょっとだけ増やしてみようか。」
お母さんは、
「薬を増やす事で支障はないんですか?」
「将来、琴音さんが結婚して子供を望むなら薬を変更した方がいいですね。」
結婚かぁ。なんだか実感がないな。それもそうだよね。まだ高校生だもん。
何より、今は恋愛に興味ないし。
「てんかんの薬はちゃんと飲んでる?」
「飲んでるんですけど、こないだ学校で倒れました。」
「ちゃんと薬を飲んでたら発作は起きないんだけどなぁ。何かストレスはあるの?」
「元男子校の学校に通っていて、男子にかわかれたり、
好意をもってない男子に付き合ってって言われてます。
転校も考えてるんですけど、日本史の先生の授業が楽しくて迷ってます。」
「それも影響があるかもしれないね。転校するのは先生と相談した方がいいかもしれない。」
「じゃぁ今度先生に相談してみます。」
薬局でもらった薬は少し寝やすい薬が増えてた。
これで寝れるといいんだけど。
日曜日、正也と動物園に行く約束をしてたから、駅で待っていてもなかなか来ない。
私は正也の携帯に電話して来るのか、来ないのか確認してみた。
正也の携帯に電話したのに、なぜか守が出た。
「なんで守が出るの?」
「昨日、正也ん家に泊まったんだ。」
「正也は?」
「まだ寝てる。」
「今日、正也と約束してるんだけど。」
「それがなかなか起きないんだよ。」
「蹴っ飛ばしてもいいから起こして。」
結局正也が来たのは1時間後だった。そしてなぜか守も来た。
「守までなんで来たの?」
「正也が起きなかったから俺が引っ張り出してきた。」
正也はまだ眠そうだった。正也から誘ってきといて遅刻するなんてありえない。
「二人でどっか行くのか?」
「ちょっとね。」
正也は二人で出かけるのを内緒にして欲しいって言ってたくせして守にバレちゃったじゃん。
ホント、正也って朝に起きるのダメだよね。
守はニヤニヤしながら、
「俺も一緒に行こうかな。」
なんて言ってる。正也と二人っきりも気まずいから私は守にも一緒に来てもらった方がよかった。
「どこ行くんだよ。」
「動物園。」
「デートコースじゃんか。」
「何で正也が誘ったのかが分からない。」
「まぁいいじゃんか行こうぜ。」
半分寝掛ける正也と一緒に何故か守も一緒に動物園に行く事になった。