幼馴染み 38話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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「ただ~いま。」


「おかえり。」


お母さんが玄関まで出迎えに来てくれたんだけど…。泣いてたみたい。


目が赤いもん。


お父さんに私から言った方がいいかなぁ。


でも私が何か言ったところで、変わる様なタイプじゃないからなぁ。


『父の威厳』って奴?それが大事って思ってるらしいから。


それって無駄なプライドの様な気がする。


「妙子さんが『話があるなら連絡頂戴』だって。」


「そう。」


お母さんはそれしか言わなかったけど、多分それで伝わってるんだよね。


…。女友達かぁ。私にはいないな。


そういうのも必要ってわかってるけど、正也達と一緒にいる方が楽しいんだからしょうがないよね。


今の学校には同級生で女の子があと2人いるはずだけど、名前すら知らない。


顔はチラッと見た事はあるけど、やたら化粧が濃かったイメージしかない。


男子が目的で入学したとしか思えない。


私が変わってるだけなのかな?でも…。『普通』の女の子って何だろう。


正也達は何にも言わないけど、私を友達として受け入れてくれてる。


それは私だからであって、別に女の子だからって訳じゃない気がする。


守も言ってたし。


『お前はサバサバしたいい女友達』って。


なんとな~く色々考えちゃってベットに腰掛けてたら、お母さんが私の部屋に来て、


「琴音、ご飯まだなの。お風呂だけ先にしちゃって。」


「あ、うん。」


私って家事を手伝う方だと思うけど、なんでも磨くのが好きなんだよね。


だから、私の役目の一つがお風呂をピカピカにする事。


お風呂を洗ってから、お風呂に入ると気持ちがいい。少し洗剤の匂いはするけど


シャンプーとかしちゃったら全然気にならなくなるし。


だから、お母さんとかお父さんの後にお風呂に入るのは好きじゃない。


1回、綺麗にしてから入らないと気持ち悪い。これって潔癖症って事?


私はお風呂用のガバガバしたビニールの靴を履いて浴槽を端から端まで磨いて、


ティッシュにカビ落としを湿らせて、5分置いてから流す。


だからうちのお風呂はいつも綺麗だ。お母さんもお父さんもその事に気が付いてるのかな?


あっ。この辺が女の子らしいかも。


絶対、正也達はお風呂とか掃除してないよね。