幼馴染み 24話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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そう言えば私、三人が同じクラスなのかとか全然聞いてなかった。


何で知り合ったんだろう。


「守はなんで正也達と知り合ったの?クラスが同じとか?」


「俺と真吾が同じクラスなんだよ。そしたら、真吾が正也の事教えてくれた。」


「へぇ。でも正也の第一印象って暗いでしょ。」


「どういう意味だよ。」


正也が不満気に私を少し睨んだ。


「だっていっつも本読んでて、自分からは喋らないでしょ?なぁなぁな友達も作らないし。


まぁ、それは私も同じだけど。」


「う~ん。明るい奴とは思わなかったけど、中国史の知識が半端ないから


面白そうな奴だとは思ったよ。だって俺達の年齢で中国だぜ。普通だったら


服の事とか女の子の事に興味持ちそうなのに、ひたすら本読んでるんだもんな。


その上、普段は女の子の話しない癖して琴音の話は二人からよく聞いてたから


『類友』かなって思って琴音にも興味がわいたんだ。」


「…。『類友』って。」


なんだかひどい言われ様な気がする。


「だってさ、真吾もどっちかって言うと癖がある奴だろ?そんな真吾と付き合いが出来る奴って


なかなかいないと思うよ。」


「それは否定しない。でもねぇ…。小学生の時からの付き合いだからこそ


突っ込めないとこもあるんだよね。」


それは真吾の家庭の事情を示していた。守は頭がいいから私のその遠回しな言い方でわかったらしく、


「まぁ、どこの家にも色んな問題があるって事だよ。」


うちの家の場合って何だろう。私がてんかんって事?


あとは…。前に見た事があるお父さんとあの女の人の事かなぁ。


でもこの事は誰にも言っちゃいけない気がする。


万が一『不倫』とかだったら困るし。


お母さん…。知ってるのかな?知ってても知らないふりをしてそう。


今のうちの状態を壊したくないから。気が強そうで弱いタイプなんだよね。


すぐ泣くし。すぐ泣くっていうのも問題アリだと思う。


私は泣いたら負けだと思ってるから、泣かない様にしてる。


妙子さんには、


「泣く事も必要よ。じゃないと爆発しちゃうんだから。」って


前に言われた事があったけど、ずっとそんな風に考えながら生きてきたから急には変われない。


私が無口になっちゃったから守が気にしたみたい。


「琴音はさ、真面目過ぎるんだよ。もっと楽に考えたらいいのに。」


「それ、妙子さんにも言われた。」


「だろ?最初にお前に会った時、真面目が服着てるみたいだったもんな。」


「そこまで言わなくてもいいなじゃない?」


「事実だ。」


さっきから正也は黙ってるけど、あの本が面白いらしく熱心に読んでる。


あれで、気になるとこにマーカーなんて引かれたら困るだけど。


正也ならやりかねない。