「そのお言葉、とても嬉しいです。でも考えさせて頂けないでしょうか。」
「それは高杉君と今以上働く事になるかい?」
「…。」
「うちとしては来てもらいたいんだけどなぁ」
「正直言ってしまえば、先程支配人がおっしゃった通り、高杉さんのやり方が不服だからです。
高杉さんに私も注意を受けますがプライベートの事まで厨房の前の皆が見える所でしてます。
この様な事があったのが減ったら少しは皆は働きやすくなると思います。
支配人でさえ、手に負えないのなら、私はここを辞める覚悟出来ました。」
「失礼、煙草いいかな?」
「どうぞ。」
支配人は葉巻を持ってきて、火をつけるとしばらく考え込んでいた。
「他の系列のホテルに移動してもらうのはどうだろう。」
「そうしたら、またここでしている事の繰り返しなると思いますが。」
「彼も彼女と結婚してくれたら、少しはまるくなるかもしれないんだがなぁ。」
「マネージャー、彼女いたんですか?!」
あんな男と付き合う女性が信じられなかった。
「まぁ、この高杉君に彼女がいるのは内緒で頼むよ。」
「もちろんです。個人のプライベートな問題ですから。」
私の答えた支配人は何回もうなずいて、
「本当に君みたいな人が働いてくれたら助かるんだけどなぁ。受付カウンターの仕事でもダメかい?」
『受付』
私が得意な分野だった。だけどうちのホテルは海外のお客様もいらっしゃるので
当然、英語は喋れないといけない。
その事を支配人に伝えると、
「そうか…。英語力もいるんだよなぁ。君は英語を喋れるかい?」
「喋れません。」
私はリスニングは出来るけど、英語でしゃべる事が出来ない。
だから嘘言ってないよね…。
「そこもパスか…。そうだ、うちでお金は出すから英会話スクールにでも通ってみたら?」
ここまで私の勝ってくれてるから、少しは考えてもいいかもしれない。
私も彰君みたいにレベルアップしなきゃね。
「分かりました。でもやっぱり時間を下さい。今すぐ返答出来る事ではないので。」
「朗報を待ってるよ。」
私は腕時計を見ると開店30分前だった。私はたちあっがり礼をして、
「今日は貴重なお時間を作って下さってありがとうございました。
あと少しで開店なので失礼してもよろしいでしょうか。」
「うん、いいよ。今度僕の友達に高杉君が担当している店に行ってもらうよ。
安いコースーを頼んだらどんな態度を取るか客観的にみたから。」
「ありがとうございます。では失礼します。」
支配人室を出る時に言っておいた方があるのを思い出した。
「言い忘れましたが、さっき新人の男の子が高杉さんい殴りつけました。
高杉さんは辞めさせるつもりでしょうけど、彼も一生懸命やってます。
そこを配慮して頂ければ幸いです。」
「分かったよ。」
私が部屋を出ようとしたら内線で電話をしていた。
高杉さんを呼んで何か言ってくれるのかな…。
だといいんだけど。まぁ高杉さんは相手にもしないだろうな。