Tomorrow is another day 第2章 始めからの方はこちらから
警察官はガラスの扉を必死になって叩くと勝が疲れきった様な顔で彼らの顔を見た。
「勝君!大丈夫?」
すると、ほふく前線でもする様にガラス窓に近づいてきた。
一人の警察官は、一緒に来ていた警察官振り向いて、
「すぐに救急車と応援を頼む。」
「わかりました。」
二人共何故、最初のこのアパートに来た時に気付いてやれなかったのだろうと後悔した。
応援の警察官は特殊な器具で玄関の扉を開けると、急いで中へ飛び込んだ。
「マズイ。脱水症状を起こしているかもしれない。救急車はまだか!?」
「あと2分で到着予定です。」
その間にせめて水だけでも飲ませてあげようと、水道から水を汲んで勝に差し出した。
「ほら、勝君。お水だよ。飲める?」
勝はゆっくりとうなずきコップに手を伸ばしたが、手の握力も弱っているのだろう。
コップを落としてしまった。
「ごめんなさい…。」
「いいんだよ、また持ってくるから。」
次は警察官が勝に水を飲ませた。その時に救急車が到着した。
「この子の名前は?」
「中島 勝君です」
他の救護隊の一人が勝の様子を診てみる。
「このままじゃあぶない。すぐに病院へ搬送します。御家族は?」
「母親はいるんですが、今留守にしていて。」
「判りました。では警察の方が同乗して下さい。」
二人の警察官が救急車に同乗した時には、勝は酸素マスクをしていた。
「勝く~ん、大丈夫?」
「…ご飯。」
「大丈夫だよ。すぐ食べれるから。」
勝はうなずき目を閉じた。