Tomorrow is another day 第2章 始めからの方はこちらから
いつもだったら二人で食事に来ているので、二人の座る椅子は決まっていた。
だが、今回は中島もいる。
どの様に座ればいいのか迷っていたら、
「男性陣は二人で並んで座ったら?私、荷物があるから隣の椅子に置きたいし。」
「なんだか気持ち悪くね~か?男二人で隣同士なんて。」
「じゃぁ、優人さんが私の隣に座れば?」
「そっちがいいかもね。」
優人は麻子の隣に座った。その時、マスターがいつも通り前菜を出してくれた。
「すっげ~な。お前達いつもこんな豪華なもん食ってるのか?」
「いつもじゃないですよ。月2~3回です。」
「俺だったら居酒屋ぐらいだな。」
前菜を口に運んでいた麻子が中島に思い出せる様に言った。
「そんな事ばっかりじゃなかったでしょ。送別会とかはちゃんとしたお店を選んだじゃない。」
「麻子さんがそういう店とか選んでたの?」
「私は雑用係だったから。社員旅行のプランだって私がやったのよ。」
「へぇ。」
「その時は大変だったんだから。条件で温泉付き、飲み放題、卓球台がある。カラオケOK、
それで安いところなんて、なかなか見つからなかったわ。」
そんな二人の会話を聞いていた中島がこっそりと言った。
「なぁ、二人だけワインで俺はオレンジジュースってずるくね?
ジントニックが飲みたいんだけど。」
「あなたは病み上がりでしょ。ダメよ。」
「まぁまぁ。一杯ぐらいいいじゃない。」
「やったね。」
優人がマスターにジントニックを頼んでくれた。
「麻子さんに聞いたんですけど、中島さんはジントニックがお好きなんですね。」
「こいつ、そんな事まで話してるのか。」
「あなたがジントニックが好きだったのを忘れなかったみたいです。」
「ふ~ん。」