Tomorrow is another day 第2章 68話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

最初から読む方はこちらから


Tomorrow is another day 第2章 始めからの方はこちらから


いつもだったら二人で食事に来ているので、二人の座る椅子は決まっていた。


だが、今回は中島もいる。


どの様に座ればいいのか迷っていたら、


「男性陣は二人で並んで座ったら?私、荷物があるから隣の椅子に置きたいし。」


「なんだか気持ち悪くね~か?男二人で隣同士なんて。」


「じゃぁ、優人さんが私の隣に座れば?」


「そっちがいいかもね。」


優人は麻子の隣に座った。その時、マスターがいつも通り前菜を出してくれた。


「すっげ~な。お前達いつもこんな豪華なもん食ってるのか?」


「いつもじゃないですよ。月2~3回です。」


「俺だったら居酒屋ぐらいだな。」


前菜を口に運んでいた麻子が中島に思い出せる様に言った。


「そんな事ばっかりじゃなかったでしょ。送別会とかはちゃんとしたお店を選んだじゃない。」


「麻子さんがそういう店とか選んでたの?」


「私は雑用係だったから。社員旅行のプランだって私がやったのよ。」


「へぇ。」


「その時は大変だったんだから。条件で温泉付き、飲み放題、卓球台がある。カラオケOK、


それで安いところなんて、なかなか見つからなかったわ。」


そんな二人の会話を聞いていた中島がこっそりと言った。


「なぁ、二人だけワインで俺はオレンジジュースってずるくね?


ジントニックが飲みたいんだけど。」


「あなたは病み上がりでしょ。ダメよ。」


「まぁまぁ。一杯ぐらいいいじゃない。」


「やったね。」


優人がマスターにジントニックを頼んでくれた。


「麻子さんに聞いたんですけど、中島さんはジントニックがお好きなんですね。」


「こいつ、そんな事まで話してるのか。」


「あなたがジントニックが好きだったのを忘れなかったみたいです。」


「ふ~ん。」