Tomorrow is another day 第2章 始めからの方はこちらから
中島が退院後、初出勤の3日前に優人と麻子が食事に誘った。
二人が行きつけのレストランで食事をする事になったのだが、
中島はレストランの場所を知らない。
優人が迎えに行った。
レストランに行きながら、二人は雑談をした。
「どうですか?体調の方は。」
「まだ体が重い感じがするけど、次に出勤するまでには大丈夫だと思う。」
「麻子さんに聞いたんですが、プログラマーの仕事って徹夜もあるそうですね。」
「まぁな。」
「しばらくは会社の方と相談して、定時に帰れる様にしたらどうですか?
まだ体も万全じゃないんですから。」
「それはどうだろうな。うちの会社は20人弱なんだ。納期前だったら
俺一人抜けたら、納期に間に合わなくなる。」
「でも、相談だけでもしてみたら?」
「あぁ。」
そんな事を話しながら歩いていたらレストラン前に着いた。
すでに麻子は来ていて、一人でワインを飲んでいた。
「麻子さんお待たせ。」
「大丈夫よ。私もさっき来たところだから。」
マスターが中島を見ると、にっこり笑って、
「おや、新顔さんですね。山下君達の友達?」
「まぁ、そんな感じのところです。」
「メニューはどうする?」
「いつものお任せで。でも彼、ドリアが好きなんです。もしあったらドリアも。」
「判ったよ。じゃぁこれでもつまんで待ってて。」
マスターはチーズの盛り合わせを置いてキッチンへ向かった。
麻子は中島の顔を見るなり、
「あなたの事だから、またまともに掃除とかしてないんでしょ。
明日、仕事が終わったら寄るから。」
「うるせ~な。俺なりに掃除位してるよ。」
「私には信じられないんだけど。優人さんが一人暮らし、してた時はとっても綺麗な部屋だったわよ。」
優人は中嶋の事をライバル視しなくなったので、麻子がわざわざ中島の自宅に
掃除をしに行くと言っても何も言わなかった。