Tomorrow is another day 第2章 69話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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「そういえば、中島さん。またアルコールで薬飲んでないでしょうね。」


「飲んでね~よ。もう病院食は勘弁だからな。」


そこへ料理が運ばれてきた。中には中島の好きなドリアもある。


「熱いから気を付けてね。」


「ありがとう。」


マスターが持って来た小皿にそれぞれ食事をシェアしながら食べ始めた。


「あっ、ここのドリア。すっげ~美味い。麻子のも美味いけど、ここのも負けてないな。」


その声がマスターにも聞こえたらしく、


「ありがとうございます。また来て下さいね。」


「俺も常連になりそう。」


「大歓迎ですよ。」


麻子は食事を進めながら、優人と話した事を中島に言った。


「ねぇ、あと3日だけど本当に大丈夫?今頃、多分納期前よ。」


「あれだけ休ませてもらったんだ。仕事で恩返ししないとな。


それに仕事をしてた方が何も考えなくていいから。」


「無理しないでね。」


「判ってるって。」


二人の会話を聞いていた優人は、以前麻子に告げた事を中島にも教えた。


「でも変ですね。今までは麻子さんをめぐって僕達はライバルだったのに、


こんなに会う様になるなんて。」


「俺もそう思ってたんだ。麻子に会ったら未練タラタラになるかと思ってたけど、


もうそんな事思わなくなったし、むしろ山下君と幸せになって欲しいって考えてる位だ。」


「変な二人。」


麻子は笑った。笑った時に思い出したのか、例のシャツの実験の話をし始めた。


「あのね、優人さん。前に中島さんと付き合ってた時、中島さんの部屋に


薄く黄色くなったシャツがぶら下がってたの。」


「元々、そんな色のシャツだったんじゃないの?」


「違うのよ。洗濯して、煙草を吸ってる部屋にいつまで吊るしてたらどんな色になるか


実験してたんですって。変な人でしょ?」


「確かに・・・。」


「いいじゃね~か。誰に迷惑をかけてた訳じゃないんだから。」


「そうだけど、清潔ではないでしょ。」


三人の食事は楽しいものとなった。


食事も終わり、デザートを食べている時に中島が遠慮しがちに言った。


「なぁ、俺にもお前達の結婚式の招待状くれないか?」


それには麻子は黙ってしまった。以前付き合っていた女性の結婚式に来て


また、薬の過剰摂取でもしたら大変な事になると思ったからだ。


「・・・。もう招待状は書いちゃったのよ。」


「あと一通位いいだろ。」


「家に帰ったら優人さんと相談してみる。ねっ。」


「そうだね。式場にも人数を教えてしまったから。」


「まぁ、考えておいてくれよ。」


「うん。」