Tomorrow is another day 第2章 始めからの方はこちらから
「そういえば、中島さん。またアルコールで薬飲んでないでしょうね。」
「飲んでね~よ。もう病院食は勘弁だからな。」
そこへ料理が運ばれてきた。中には中島の好きなドリアもある。
「熱いから気を付けてね。」
「ありがとう。」
マスターが持って来た小皿にそれぞれ食事をシェアしながら食べ始めた。
「あっ、ここのドリア。すっげ~美味い。麻子のも美味いけど、ここのも負けてないな。」
その声がマスターにも聞こえたらしく、
「ありがとうございます。また来て下さいね。」
「俺も常連になりそう。」
「大歓迎ですよ。」
麻子は食事を進めながら、優人と話した事を中島に言った。
「ねぇ、あと3日だけど本当に大丈夫?今頃、多分納期前よ。」
「あれだけ休ませてもらったんだ。仕事で恩返ししないとな。
それに仕事をしてた方が何も考えなくていいから。」
「無理しないでね。」
「判ってるって。」
二人の会話を聞いていた優人は、以前麻子に告げた事を中島にも教えた。
「でも変ですね。今までは麻子さんをめぐって僕達はライバルだったのに、
こんなに会う様になるなんて。」
「俺もそう思ってたんだ。麻子に会ったら未練タラタラになるかと思ってたけど、
もうそんな事思わなくなったし、むしろ山下君と幸せになって欲しいって考えてる位だ。」
「変な二人。」
麻子は笑った。笑った時に思い出したのか、例のシャツの実験の話をし始めた。
「あのね、優人さん。前に中島さんと付き合ってた時、中島さんの部屋に
薄く黄色くなったシャツがぶら下がってたの。」
「元々、そんな色のシャツだったんじゃないの?」
「違うのよ。洗濯して、煙草を吸ってる部屋にいつまで吊るしてたらどんな色になるか
実験してたんですって。変な人でしょ?」
「確かに・・・。」
「いいじゃね~か。誰に迷惑をかけてた訳じゃないんだから。」
「そうだけど、清潔ではないでしょ。」
三人の食事は楽しいものとなった。
食事も終わり、デザートを食べている時に中島が遠慮しがちに言った。
「なぁ、俺にもお前達の結婚式の招待状くれないか?」
それには麻子は黙ってしまった。以前付き合っていた女性の結婚式に来て
また、薬の過剰摂取でもしたら大変な事になると思ったからだ。
「・・・。もう招待状は書いちゃったのよ。」
「あと一通位いいだろ。」
「家に帰ったら優人さんと相談してみる。ねっ。」
「そうだね。式場にも人数を教えてしまったから。」
「まぁ、考えておいてくれよ。」
「うん。」