Tomorrow is another day 第2章 始めからの方はこちらから
掃除もひと段落したところへ、麻子が夕食が出来たと言ってきた。
2ヶ月近く、病院食を食べていた中島は喜んでドリアにスプーンを入れた。
「すっげ~旨い。やっぱり麻子が作るドリアは天下一品だな。」
「ホントだ。麻子さんには色々作ってもらったけど、ドリアは初めてかも。」
エプロンを解きながら、麻子も自分の分を食べる為にテーブルについた。
「でも、昔より下手になっちゃったかも。最近作ってなかったから。」
「いや、本当に美味しいよ。」
優人のスプーンも止まる気配はない。
夜も9時近くになってから、優人達は中島の部屋をあとにした。
「じゃぁ、また来るから。部屋、ちゃんと綺麗にしとくのよ。」
「ハイハイ。」
優人達のマンションに着くと優人は明るい表情で中島の事を話し始めた。
「今日、会った感じだと大丈夫そうだね。」
だが、以前中島の夢を見ては涙していた麻子は反対意見だった。
「きっと私達がいたから、頑張って明るく振舞ってるのかもしれない。」
「僕にはそうは見えなかったけどなぁ。」
「私もなんとなく思っただけだけどね。」
「彼が会社復帰するのはいつ頃なんだろう。」
「それは聞いてないわ。でも、大丈夫かしら。」
「何が?」
「人って気持ちが沈んでる時、他人の前では頑張って明るくしちゃうのよ。
その反動がこないかなぁって思って。」
優人は吸っていた煙草の手を止めて、麻子を見た。
「それは麻子さんが昔、そうだったから?」
「うん。それもあるけど。」
優人は煙草を灰皿に押し付けて消すと以前から心配にしていた事を話した。
「だけど大丈夫かな?またあの奧さんが来たりしたら、また逆戻りだよ。」
「そう!そこも心配なのよ。」
千夏が今、以前見た男性とまだ付き合っているのは判らない。
だが、子供には悪い影響は与えて欲しくなかった。