2週間後に優人と麻子で見つけたマンションに引っ越した。
もしかしたら、中島に会う事もあったので1つ隣の駅にした。
「隣駅だから、簡単には会わないと思うよ。」
隣駅にする事を提案したのは優人だった。
引っ越しの途中で麻子が引っ越しセンターのスタッフにお茶を配ったり
色々気を使ったいたら思わぬ事を言われた。
「奧さんも大変ですね。この時期に引っ越しなんて。」
びっくりしてしまったが、二人の年齢で夫婦に見られたらしい。
そこで否定するのもおかしいと何も言わなかった。
引っ越しが順調に終わり、二人も落ち着いて食事が出来たのは夜、遅くだった。
「麻子さん、『奧さん』って呼ばれてたね。」
「びっくりしちゃった。」
「いっその事、本当に結婚しちゃう?」
ふざけている様だったが、優人は真面目にプロポーズをしているらしい。
「…。ちょっとそれは考えさせて。」
「まだ中島さんの事、気になってる?」
「そうじゃないけど…。だって私達、付き合い始めて1ヶ月位でしょ。
早いなぁと思って。もしかしたら一緒に暮らしてみて
優人さんの方が私に幻滅するかもしれないし。」
「僕って何事もすぐ行動に移しちゃうからねぇ。まぁ、考えてみて。」
「…。うん。」