しばらく考え込んでいた麻子は、首を振り
「やっぱり出来ない。もしかしたら中島さん、この近所に住んでるかもしれないし。
買い物とか通勤の時に会うのが怖い。」
「大丈夫だよ。ちゃんと僕がそばにいるから。」
「…。」
「僕のところへおいで。一人で眠って泣くのは辛いでしょ。
絶対僕が守るから。」
落ち着いたらしく、それでも優人にしがみつきながら
「優人さんって、いっつも『大丈夫』って言ってくれるね。」
「そっかな~。自覚はないけど。」
「私、その言葉にいつも助けられてきてる気がする。」
「そう?良かった。」
「会社の事もあるから、すぐには引っ越せないけど、一緒に住んでもいい?」
「もちろんいいよ。それに僕の部屋だったら狭いから
引っ越し先を考えなきゃいけないしね。」
「猫アレルギーだけど大丈夫?」
「エリーとも仲良くする様にするよ。」
こうして麻子は優人と同棲する事に決まった。